ドイツ語動詞の現在分詞と過去分詞。動詞の形容詞化!

現在分詞と過去分詞

今回は動詞の現在分詞と過去分詞について習っていこう。

現在分詞と過去分詞は動詞を基に作られるが、それぞれ名詞や形容詞として使える便利な表現。使いこなせば文のバリエーションがぐっと拡がる!

この現在分詞と過去分詞の形容詞化は上級文法の中でも重要なテーマ。ドイツ語学校でもみっちりと習うはずだ。

では、見ていこう!


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現在分詞・過去分詞とは?

現在分詞 Partizip Präsens (partizip 1)
過去分詞 Partizip Perfekt (partizip 2)

現在分詞と過去分詞は動詞の変化したスタイル。文中では、名詞や形容詞のように使うことができる。両者の使い分けは以下のように考えよう!

  • 現在分詞 
    現在進行中である動作に対して用いる。
  • 過去分詞
    終了した動作もしくは受動の動作に対して用いる。

現在分詞

まずは現在分詞から勉強していこう。

現在分詞の作り方

現在分詞は、動詞の不定詞の語尾にdを付けることによって作られる。

例を挙げると、
kochen ➡ kochend
sehen ➡ sehend
となる。

例外的な変化をする動詞はすべての動詞の中で以下の2つだけだ。
sein ➡ seiend
tun ➡ tuend

現在分詞の使い方

現在分詞の4つの用法をまとめて紹介しよう。

  1. 付加語としての用法
  2. 述語としての用法
  3. 副詞としての用法
  4. 名詞としての用法

付加語としての用法

付加語とは名詞に情報を付け足す単語。
この用法では現在分詞は(~している人・物)という意味で使われる。
現在分詞は形容詞として扱うので、名詞の性や格により語尾が変化する。

Man soll keine Flasche aus dem fahrenden Auto werfen.
走っている車からビンを投げるべきではない。
Mich stört der bellende Hund meines Nachbarns.
吠えている近所の犬がうっとうしい。

再帰動詞を使ったパターン

再帰動詞も現在分詞として使うことができる。
この場合、再帰代名詞(sich)は現在分詞の直前に置かれる。

Das sich ausbreitende Feuer hat schon viel zerstört.
燃え広がる炎はすでにたくさんのものを破壊した。
Durch den sich schnell verbreitenden Virus wurden viele Leute krank.
素早く拡まったウイルスによりたくさんの人が病気になった。

述語としての用法

現在分詞を文の述語として使う用法。

この用法においては現在分詞はひとつの形容詞として既に定着していることが多い。なので、特に現在分詞として意識する必要はない。

Das Essen in dieser Pizzeria war hervorragend.
このピザ屋の料理は卓越していた。
Dauernd hat er von seiner Vergangenheit erzählt.
絶え間なく彼は彼の過去について話した。

副詞としての用法

現在分詞を副詞として使用する。つまり、「どのように?」にあたる内容を現在分詞が説明する。この場合は形容詞化した動詞が、他の動詞を修飾するかたちになる。

Der Kunde verlässt fluchend das Büro.
客は悪態を付きながら事務所を立ち去った。
Die Arbeit von dem neuen Praktikanten ist überraschend gut.
新しいインターン生の仕事ぶりは驚くほど良い。

名詞としての用法

この用法では現在分詞を「~している人」と名詞の意味で用いる。

Die Tanzenden haben eine besondere Choreografie einstudiert.
ダンサーたちは特別な振り付けの稽古を受けたことがある。
Die Polizei verteidigt sich gegen die Angreifenden.
警察は襲撃者から身を守った。

過去分詞

次に過去分詞について勉強していこう。

過去分詞は受動態や現在完了形の文において使っているはずなので、現在分詞よりも馴染みがあるはずだ。

過去分詞の作り方

過去分詞の基本的な作り方は以下のようになる。

ge + 動詞の語幹 + t

例をあげると、
lernen → gelernt
tanzen → getanzt

ただし、過去分詞の作り方にはいくつかのパターンがあり、基本通りの作り方をする動詞は少ない。

過去分詞の詳しい作り方は現在完了形の記事で説明しているのでそちらを参考にしてほしい!

過去分詞の使い方

過去分詞の使い方は以下のように分類できる。

  1. 付加語としての用法
  2. 述語としての用法
  3. 副詞としての用法
  4. 名詞としての用法
  5. 現在完了形・過去完了形・未来完了形の文において
  6. 受動態の文において

⑤と⑥については今までに習っているので、この記事では説明しない。

受動態に知りたい人はこちらの記事をどうぞ!

①~④までは、現在分詞と同じ用法だ。ただし、冒頭で述べたように過去分詞は終了した動作もしくは受動の動作に対して用いる。

付加語としての用法

このパターンでは過去分詞は「~していた人・物」、もしくは受け身のニュアンスで「~された人・物」という意味で使われる。

Von diesem Turm aus sehen wir den verlassenen Ort.
この塔からは廃墟となった街が見える。
Der eingeschlafene Schüler ist jetzt aufgewacht.
寝ていた生徒は今起きた。

述語としての用法

過去分詞を文の述語として使う用法。

Dieses Bild ist als wichtigstes Werk des Künstlers bekannt.
この絵は画家の重要な作品として知られている。
Ich bin gerührt, dass du dich noch erinnerst.
私はあなたが覚えていたことに感激した。

副詞としての用法

過去分詞を副詞として使用する用法。

Er kam völlig durchgeschwitzt nach dem Sport nach Hause.
彼はスポーツの後に汗まみれで家に帰ってきた。
Gut gelaunt ging er zur Arbeit.
いいムードで彼は会社に出かけた。

名詞としての用法

過去分詞を「~された人」という意味で用いる用法。

Die Betrogenen haben gemeinsam die Firma verklagt.
詐欺の被害者は一緒になってその企業を訴えた。
Bei dem Unfall gab es viele Schwerverletzte.
その事故ではたくさんの重傷者が出た。

分詞構文

過去分詞は分詞構文(Partizipialkonstruktion)というスタイルの文でも使われる。この構文においては、分詞構文は過去分詞を使用して副文を作る。

分詞構文で使われる単語

分詞構文で使われる単語には以下のようなものがある。

wie gesagt
ehrlich gesagt
anders ausgedrückt
so betrachtet
abweichend interpretiert

分詞構文の例

分詞構文を使った例文を見てみよう。
分詞構文では、今までに習ってきた副文よりも文が省略されているのがわかるだろう。

Wie erwartet, hat sie ihre Hausaufgabe nicht gemacht.
予想したとおり彼女は宿題をやらなかった。
Aus dieser Perspektive gesehen, ergibt das keinen Sinn.
この観点から見ると、それはまったく意味を持たない。
まとめ
  1. ドイツ語の動詞には、現在分詞(Partizip Präsens)と過去分詞(Partizip Perfekt)のスタイルがある。
  2. 現在分詞は現在進行中である動作に対して用い、過去分詞は終了した動作もしくは受動の動作に対して用いる。
  3. 過去分詞は「分詞構文」においても使用される。

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ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。