ドイツ語ってどんな言葉?言語ランキングで見るドイツ語。

ドイツ語ってどんな言葉?

みんなは「ドイツ語」と聞いてどんなイメージを浮かべるだろうか?

「なんだか古臭くて難しそう…」
「ドイツ語の単語はカッコいい!」
「そもそもドイツ語なんて使わないだろ。」

この記事では、ドイツがどういった言語なのか概要を説明していきたいと思う。

おもに第二外国語の選択に悩む大学生に向けて書いているが、ドイツ語に興味のあるすべての人に読んでほしい内容となっている!

ドイツ語を使う国・地域

まずはドイツ語のイメージを膨らますために、ドイツ語が使われている国や地域を明確にしていこう。

ドイツ語はその名の通りドイツで公用語として使われている言語だ。
また、ドイツだけではなくオーストリア・スイス・ルクセンブルグ・リヒテンシュタイン・ベルギーの計6つの国で公用語として定められている。

ただし、ルクセンブルグとリヒテンシュタインは非常に小さな国で、ベルギーはドイツを使用する地域がごくわずかなので、“ドイツ語を使う国”はドイツ・オーストリア・スイスの3カ国だと考えよう

この3国はすべてヨーロッパの中央に位置している。
地図で確認してみよう。

ドイツ・オーストリア・スイスは日本からの遠く離れているものの、日本との関わりは非常に強い。よってドイツ語は日本人と関わりの強い言語と言っていいだろう。

ドイツ語の話者数

第二外国語を選択するときにまず重要なのが、その言語を使用する人の数だと思う。ランキングを見ながら、ドイツ語の話者数を確認しよう。

世界の言語

世界にはおおよそ3000から8000の言語が存在する

言語の数を正確に挙げることが出来ないのにはおもに以下の2つの理由がある。

  1. 世界にはごく一部の地域や民族の間でのみ使われている言語があり、それらをひとつの言語として数えるべきと考える人と、数えるべきでないと考える人がいる。
  2. 2つの似通った言語があったときに、それを方言と考える人と別の言語と考える人がいる。

次の表を見てみよう。これは主要な言語の話者数のランキングだ。

参照 : https://de.wikipedia.org/wiki/Liste_der_meistgesprochenen_Sprachen
*このランキングでは、第二言語としての話者も合計の話者数に含まれています。

世界でもっとも話者数が多い言語は、ほぼ同数で英語と中国語。ともに11億人もの人々が使用している。

英語が1位である理由は、世界の公用語として認められている言語なので、第二言語として学ぶ人が多いというのが挙げられる。中国語に関しては、中国の領土が広大で世界で一番人口の多い国なので、必然的に話者が多いと考えるのが自然だろう。

ドイツ語の順位

さて、今回のテーマであるドイツ語について見ていこう。

ドイツ語の話者数は約1億3000万人でランキングでは13位に入っている。
ちなみに僕らが使っている日本語は15位に入っているので、日本語とドイツ語を使う人の数ではほぼ同じレベルだと考えていいだろう。

13位というとどちらかというとマイナーな言語である気がするが、話者の数だけに気を取られてはいけない。

ヨーロッパに限定してドイツ語を母国語として使う人を数えた場合、他の言語と比較してドイツ語を母国語とする人の数が一番多いのだ。つまり、ヨーロッパの文化に関心を持つ人や、将来ヨーロッパへの移住を考えている人にとっては、ドイツ語は英語と比較しても引けを取らない、最重要の言語だと考えていい。

ドイツ語の地位

ドイツ語は使用する人の数が飛び抜けて多いわけではないけど、一方で地位の高い、また権威性のある言語といえる。ここでは、ドイツ語の重要性について3つの観点から分析してみよう。

ドイツ語圏の経済力

ドイツ語を使用するドイツ・オーストリア・スイスはどれも経済的に豊かな国だ。ドイツは国内GDPが日本に次ぐ4位であり、オーストリアとスイスは一人あたりGDPが世界のトップ10に入っている国だ。

また、ドイツの企業には東ヨーロッパや旧ソ連圏の国々へ進出している企業は多く、ドイツはヨーロッパの経済の中心的な役割を果たしている。

また新興国では、ドイツ語を習得してドイツ語圏の国で働きたいと考えている若者は増えており、この流れがドイツ語の権威性をさらに高めることに繋がっている。

学問の世界での地位

ドイツ語は学問の世界でも地位の高い言語だ。

ここ数十年のあいだに英語に押されて地位を失ったものの、過去にドイツ語は学問のための言語と考えられていた。これは18世紀の産業革命の時代にドイツがイギリスやフランスと並び、世界の科学技術の発展をリードしたことによるものだ。

とくに日本では文明開化の頃にドイツから国家体制や技術を導入しており、学問の世界ではいまだにその名残が強く見られる。

オンライン上での地位

ドイツ語の地位の高さはインターネットでも確認できる。

2019年1月の時点で、世界のウェブページの6%はドイツ語で書かれており、これは英語に次いで2番めに多い

なぜ、使用する人の数はそれほど多くないドイツ語のページがウェブ上に多く存在するのか理由はわからないが、ドイツ語はオンラインの世界でも重要性の高い言語だ。

また、ドイツは出版大国としても有名で読書家が多い。つまりドイツは総じてテキスト文化が強い国だというのが分かるだろう。

日本とドイツ語の関わり

ドイツ語は日本人にとって関わりの強い言語だ。
ここでは、ドイツ語と日本人の関わりについて3つの例を挙げてみるぞ!

日本の歴史とドイツ語

ドイツ語は歴史好きにとっても興味深い言語だ。
日本とドイツ語の接点を歴史の観点から振り返ってみよう!

江戸時代以前

日本に最初にやって来た西洋人はポルトガル人で、その頃、日本は戦国時代だった。江戸時代に入り日本は鎖国をしていたが、清とオランダのみは交易を続けており、ヨーロッパの文化や技術は蘭学として日本に伝わった

江戸時代にはまだドイツ語と日本の直接の関わりはあまり見受けられない。

明治時代

明治維新がおこり日本の近代化が始まると、日本とドイツの交流が始まる。
1871年に明治政府が欧米に派遣した岩倉使節団は、当時ドイツを統一したばかりのビスマルクとも会い、近代的な国作りについて意見を交わしている。

この時期に日本に招待したドイツ人教師により、ドイツ語の医学用語が日本語に取り入れられる。その当時、日本の高校では、英語もしくはドイツ語が第一外国語として勉強されていた。

昭和時代

昭和時代では、60年代の学生運動の時代に思想や政治に関するドイツ語の語彙(イデオロギー・ゲバルトなど)が好んで使われた。これは日本の左翼に影響を与えたカール・マルクスの「資本論」や、右翼に影響を与えたヒトラーの「我が闘争」の原書がドイツ語で書かれたことによるものだ。

昭和以降では、ドイツ語と日本の関わりは英語の存在に押され、相対的に弱くなってしまった

日本語になったドイツ語

ドイツ語を起源とする日本語の単語は非常に多く、様々な分野で使われている。特に医療・化学物質・音楽・登山・スキーなどにおいてはそういった単語が多い。

ここで少し例を挙げよう。

  • 医療 - カルテ、ウイルス
  • 化学物質 - チタン、プロパンガス
  • 音楽 - フィルハーモニー、タクト
  • 登山 - アイゼン、ザイル
  • スキー - ゲレンデ、シュプール

他にも、ポルターガイストやダックスフントなど意外な単語がドイツ語起源なので探してみよう。

アニメや漫画で使われるドイツ語

この記事では多くは触れないが、アニメや漫画の世界でもドイツ語の単語はよく使われる。

  • 新世紀エヴァンゲリオン - ゼ-レ、ネルフ、ゲヒルン
  • 進撃の巨人 - イェ-ガ-、アルトシュタット

ドイツ語の単語はカタカナで表記した際に、濁音を多く含む。
それがカッコいい響きになるのが主な理由だと思われる。

ドイツ語体験コース

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第1回 ドイツ語ってどんな言葉?言語ランキングで見るドイツ語

第2回 ドイツ語を使う国を教えて!ドイツ語圏の3つの国を紹介。

第3回 英語との違いは?ドイツ語の特徴を理解しよう!

第4回 ドイツ語はどのくらい難しい?習得に必要な期間は?

第5回 第二外国語にドイツ語を選ぶのはアリ!?実は本命である5つの理由。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。