今回のテーマは「ドイツ語の難易度と習得に必要な期間」だ。
この記事では、言語の難易度ランキングなどのソースを基にドイツ語がどのくらい難しいのかを、読者のみんなにも想像しやすいかたちでまとめてみた。
以下のような疑問を抱えている人にとっては特に興味深い内容となっている。
- ドイツ語は他の言語と比較してどれほど難しいのか?
- ドイツ語を実践で使うには、どのくらいの学習期間が必要か?
- ドイツ語の学習に割り振る労力の目安を知りたい。
では、見ていこう!
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目次
ドイツ語の難易度
まずは、ドイツ語の難易度を他の言語と比較しながら考えてみよう。
言語の難易度ランキング
世界の言語の難易度ランキングを参考にドイツ語がどのくらい難しいのか客観的に分析してみよう。
言語の難易度ランキングは数多くあり、それぞれのランキングによって上位に挙げられている言語も大きく異なる。ここでは国際的な機関であるUNESCOが発表した、言語の難易度ランキングを基に分析してみたい。
ランキングは以下の通りだ!
- 1位 中国語
- 2位 ギリシャ語
- 3位 アラビア語
- 4位 アイスランド語
- 5位 日本語
- 6位 フィンランド語
- 7位 ドイツ語
- 8位 ノルウェー語
- 9位 デンマーク語
- 10位 フランス語
ランキングの上位には、日本語・中国語・アラビア語など、欧米の言語からかけ離れていて、固有のアルファベットを使用する言語がランクインしている。馴染みのないアルファベットを使用するのは、言語を学習するうえで大きなハードルとなるようだ。
ヨーロッパ系の言語に絞って見てみると、「ギリシャ語」「アイスランド語」「フィンランド語」といったあまり使用者の多くなさそうな言語が目立つ。
注目のドイツ語はというと、比較的メジャーな言語でありながら7位にランクインしている。こういったことから、ドイツ語は難しい言語のひとつといえるだろう。
母国語による難易度の違い
外国語の習得の難しさはその人の母国語によって大きく異なってくる。
欧米の人たちから見れば日本語や中国語は難しく、日本人や中国人から見ればヨーロッパ系の言語は難しい。文法や語彙に共通する点が少ないために、その言語に適応するのに時間が掛かるというのがおもな理由だろう。
なお、ドイツ語と親戚関係にある言語といえば英語とオランダ語。ドイツ語学校で著者と同級生だったオランダ人は「ドイツ語はオランダ語と似てるので簡単!」と言いながらあっという間に上級レベルに進んでいた。
言語を習得する年齢
言語の学習が成功するかどうかは、その言語を習い始めた年齢が大きく関係してくる。
下の表は第二外国語の学習を始めた年齢と言語能力の相関性をあらわしたグラフだ。このデータでは俗にいう「言語習得の臨界期」を裏付ける結果となっている。
ベルリンで生活する僕の知人に関して言えば、ドイツに外国人として移住してきて、ドイツ語をネイティブに近いレベルまで習得している人は、遅くとも15歳までにドイツに移り住んで来ている。
ただし、バイリンガルとして若いうちから複数の言語の環境で生まれ育ってきた場合は、ドイツ語を習い始めた年齢が遅かったとしても、早く言語を習得できる可能性は高い。
いずれにせよ何歳から勉強を始めたとしても、上級レベルであるC1・C2のレベルまでは、本人の努力や心がけ次第でいける!自分の年齢を言い訳にせずドイツ語能力を常に高める意識を持とう!
* 言語の習得と年齢の関係については、この記事では深くは掘り下げない。興味のある人は「臨界期仮説」などのキーワードで調べてみてほしい。
ドイツ語の難しいポイント
次にドイツ語のどういった部分が難しいのか掘り下げて考えてみたい。
ドイツ語の文法
ドイツ語の文法は難しい。理解して使いこなせるようになるまでには相当な時間が必要。ドイツ語の文法の難しいポイントを列挙してみると以下のようになる。
- 3種類ある名詞の性別
- 単語の語尾の変化
- 4種類の「格」の存在
- 変化の激しい語順
ただし、ドイツ語は応用の効く言語。上級レベルまで行ってしまえば、新しく覚えなければいけないことは少ない。
ドイツ語の語彙
次にドイツ語の語彙(単語のボキャブラリー)について考えてみよう。
ドイツ語の単語は複数の単語が組み合わさって出来た複合語が多い。そして、形容詞が名詞になったりと異なる品詞間でも使い回しが効く。また英語と似通った語彙も多いので、単語を覚える手間は省けることもある。
ただし、ドイツ語ではひとつの単語に対して覚えなければいけない情報が多い。名詞を例に挙げると3種類の性別があり、それを見分けれるようにならないと正しい文章は作れない。
ドイツ語の語彙を確認したみたいという人はこちらの記事をどうぞ!
発音や聴き取り
ドイツ語は発音の部分では、ヨーロッパの言語の中で難しい部類には入らないだろう。特にライバルであるフランス語と比較すると発音は簡単だ!
とはいえ、日本人にとって難関のLとR、BとWの音の違いや、ドイツ語特有のウムラウトの音については充分なトレーニングが必要!
また、地域ごとの方言や訛りも非常に強い。
その他の難しいポイント
その他にもドイツ語学習を難しくする要因はいくつか考えられる。
- 教材や学校の少なさ(日本に住んでいる場合)
- 会話のパートナーの見つけづらさ
- 学校で習うドイツ語とネイティブが話すドイツ語の乖離
ドイツ語の難しいポイントのまとめ
ドイツ語は最初のうちは覚えなければいけない情報量が多く、馴染みのない文法要素も多く理解するのには多くの時間が必要だが、それを乗り越えればそれほど難しくない言語だ。
習得に必要な期間
次にドイツ語の習得に必要となる学習時間について考えてみよう。
学習時間の目安
ドイツ政府が設立したドイツ語の公的機関Goethe-Institutが、レベルごとに必要となる学習時間の目安を公表している。その時間を表にまとめた。
レベル | 授業時間 | 目安 |
A1 | 80-200 | 簡単な文であれば理解・使用することができる。 |
A2 | 200-350 | よく使われる表現なら理解できる。 |
B1 | 350-650 | 日常会話レベル。 |
B2 | 600-800 | ドイツ語を使って仕事をするなら最低限のレベル。 複雑な文章や抽象的な表現も理解することができる。 母国語話者とスムーズに相互理解することが可能。 |
C1 | 800-1000 | 大学入学に必要となるレベル。 学術的な文章を理解して、充分な語彙を用いて流暢に話すことができる。 |
C2 | 最低1000 | 準ネイティブレベル。 ほとんどの文章を読む・聞きとる事ができる。それらをまとめる事ができる。準備をせずとも、正確に自分の考えを表現する事ができる。 |
*表の数字は、授業時間(Unterrichtsstunde)を単位としているので注意が必要。1つの授業時間は「45分」とされている。
授業時間の感覚が掴みにくいと思うので例を挙げると、
- 全日制のドイツ語学校でA1からC1までの授業をすべて受けた場合
1日4授業 × 週5日 × 40週間 = 800授業時間
Goethe-Institutが提唱する800-1000と同じくらいの時間になる。
なお、この計算は同じレベルのコースを2度受講しなかった場合の計算だが、この通りに自分のドイツ語能力を向上させれる人は日本語を母国語とする人の間ではかなりまれで、多くの人は同じレベルのコースを復習したりしながら時間を掛けて習得していく。
- 週に1回だけ90分の授業を受けた場合、C1まで到達するのに何年掛かるか?
800 ÷ (2 × 50) = 8年
この場合C1に到達するまで8年間掛かる計算となる。
週1・2回のドイツ語コースでは、仕事で使えるようなドイツ語能力に到達するには、長い時間が掛かってしまう。短期間で語学を習得したいならば、数ヶ月でもドイツ語圏の国に住んで、全日制のドイツ語学校に通うのをオススメする。
ちなみに英語能力にそれなりの自信がある人であっても、ドイツ語の習得に掛かる時間はそれほど変わらないと思う。
まとめるとドイツ語の習得に必要となる期間は、日常会話レベルのB1まで6ヶ月。大学に進学できるC1までは1年は最速でも必要になると考えよう!
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