今回はドイツ語の形容詞について勉強していこう。
形容詞は人や物の特徴を詳しく述べるための品詞だ。ドイツ語では形容詞は3つの使い方ができるうえに、名詞や動詞に変化させることもできる。
この記事では、形容詞の3つの用法を述べたうえで格変化のパターンや初級で覚えておきたい形容詞をピックアップして紹介したいと思う。
では、見ていこう!
目次
形容詞とは?
形容詞 Adjektiv
形容詞は人や物の性質を述べるのに使われる品詞。
ドイツ語では形容詞には以下で述べる3つの用法がある。
形容詞の3つの用法
形容詞の使い方は3つに分類することができる。形容詞によって使える用法は決まっている。
- 付加語としての用法
(例) der laute Hund
形容詞を名詞の付加語として使用する用法。この例ではlautが形容詞であり名詞Hundに意味を付加している。この用法では形容詞は格変化を伴う。 - 述語としての用法
(例) Der Hund ist laut.
この用法においては形容詞は述語の役割を果たし、形容詞は主語や目的語の特徴や状態を述べる。 - 副詞としての用法
(例) Der Hund bellt laut.
形容詞を副詞として使う用法。「述語としての用法」と似ているがこの用法では形容詞は動詞を修飾している点で両者は異なる。
では、それぞれの用法を詳しく見ていこう!
付加語としての用法
形容詞の付加語としての用法を例文で確認しよう。
Du bist eine junge Frau. 君は若い女性だ。
Mein Chef ist eine schlechte Person. 私の上司はひどい人だ。
ドイツ語の形容詞を付加語として使用する場合は語尾変化が起こる。
格変化のパターンは形容詞の前に置かれた冠詞の種類によって、以下の3パターンに分けられる。
- 定冠詞と使う場合
- 不定冠詞と使う場合
- 冠詞が付かない場合
定冠詞と使う時の格変化
以下の表は形容詞を定冠詞とともに使う際の格変化だ。
1格 | 2格 | 3格 | 4格 | |
男 | der gute Mann | des guten Mannes | dem guten Mann | den guten Mann |
女 | die schöne Frau | der schönen Frau | der schönen Frau | die schöne Frau |
中 | das kleine Kind | des kleinen Kindes | dem kleinen Kind | das kleine Kind |
複 | die netten Eltern | der netten Eltern | den netten Eltern | die netten Eltern |
不定冠詞と使う時の格変化
以下の表は形容詞を不定冠詞とともに使う際の格変化だ。
1格 | 2格 | 3格 | 4格 | |
男 | ein guter Mann | eines guten Mannes | einem guten Mann | einen guten Mann |
女 | eine schöne Frau | einer schönen Frau | einer schönen Frau | eine schöne Frau |
中 | ein kleines Kind | eines kleinen Kindes | einem kleinen Kind | ein kleines Kind |
複 | * | * | * | * |
冠詞が付かない時の格変化
以下の表は形容詞を冠詞無しで使う際の格変化だ。
1格 | 2格 | 3格 | 4格 | |
男 | guter Mann | guten Mannes | gutem Mann | guten Mann |
女 | schöne Frau | schöner Frau | schöner Frau | schöne Frau |
中 | kleines Kind | kleinen Kindes | kleinem Kind | kleines Kind |
複 | nette Eltern | netter Eltern | netten Eltern | nette Eltern |
述語としての用法
形容詞を述語的に使う場合は、主語か目的語が対象となる。
それぞれの例を見てみよう。
主語が対象の述語的用法の例
Mein Hund ist groß. 僕の犬は大きい。
この文では、形容詞「groß」は主語「Mein Hund」の特徴を述べている。
目的語が対象の述語的用法の例
Mein Kind macht mich glücklich. 子供は私を幸せにしてくれる。
この文では、形容詞「glücklich」は目的語「mich」の状態を述べている。
副詞としての用法
「副詞としての用法」は述語としての用法と似ているが、ここでは形容詞が動詞を修飾している点で異なる。ただし、両者を明確に区別する必要は無い。
Wir fahren gemeinsam nach Deutschland. 私達は一緒にドイツへ旅します。
この文では、形容詞「gemeinsam」は動詞「fahren」を修飾している。
Der Computer läuft sehr langsam. このコンピュータはとっても遅いです。
この文では、形容詞「langsam」は動詞「laufen」を修飾している。
「sehr」はlangsamを修飾する副詞である。
ドイツ語の形容詞には副詞として使えるものがあるが、中には形容詞と副詞で違う意味を持つ単語もある。少し例を挙げてみよう。
ruhig (形)静かな ⇔ (副)かまわずに
natürlich (形)自然な ⇔ (副)もちろん
重要な形容詞の一覧
最後に初級者が必ず覚えておきたい基本的な形容詞を一覧でリストアップした。
もし、知らない単語があったらぜひ覚えておいてほしい!
- 年老いた alt ⇔ 若い jung
- 古い alt ⇔ 新しい neu
- 大きい groß ⇔ 小さい klein
- 良い gut ⇔ 悪い schlecht
- 正しい richtig ⇔ 間違い falsch
- 難しい schwer ⇔ 簡単な leicht
- 多い viel ⇔ 少ない wenig
- 早く früh ⇔ 遅く spät
- 速い schnell ⇔ 遅い langsam
- 面白い interessant ⇔ つまらない langweilig
- 貧乏な arm ⇔ 金持ちな reich
- 強い stark ⇔ 弱い schwach
- 真面目な fleißig ⇔ 怠け者の faul
- 暖かい warm ⇔ 寒い kalt
- 簡単 einfach ⇔ 難しい schwierig
- 高い teuer ⇔ 安い billig
- 美しい schön ⇔ 醜い hässlich
- 重要な wichtig ⇔ 重要でない unwichtig
- 健康な gesund ⇔ 不健康な ungesund
まとめ|形容詞
さて今回はドイツ語の形容詞について勉強してきた。
形容詞において大変なのは、やはり、付加語としての用法における格変化!これは複雑でマスターするには長い時間が掛かると思う。じっくりと取り組んでいこう!
1.ドイツ語の形容詞にはおもに3つの用法があり、「付加語としての用法」「述語としての用法」「副詞としての用法」の3つである。
2.述語としての用法では、形容詞の語尾は冠詞の種類により変化する。
3.ドイツ語の形容詞は副詞として使用できるものが多い。また、形容詞と副詞で別の意味を持つ単語もある。
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