知らなきゃマズイ!ドイツ語のduとSieの使い分け。

ドイツ語のduとSieの使い分け

今回はドイツ語の敬語にあたる表現、Sieを使った文について勉強していこうと思う!

duとSieの使い分け、Sieを使った文の作り方、Sieを使うようになった歴史的な経緯の順番で説明していく。すでに実生活でドイツを使っている人も、これからドイツで暮らしていく人もきっと参考になるので最後まで読んでほしい!

では、見ていこう!

「あなた」をあらわすduとSie

ドイツ語も、日本語と同様に敬語にあたる表現がある。
こういった表現をドイツ語でHöflichkeitsformと呼ぶ。

この丁寧な表現は2人称の主語をduからSieに替えることによって表現する。また、それに伴って動詞の活用も変化する。

なお、Sieを使って話しかけることをsiezen、duを使って話しかけることをduzenと呼ぶ

  • duを使って話す ⇒ duzen
    (例) Hast du morgen Zeit?
  • Sieを使って話す ⇒ siezen
    (例) Haben Sie morgen Zeit?

ただし、ドイツ語のduzenとsiezenは相手との上下関係ではなく、相手との親しさによって使い分ける。つまり、相手が会社の社長であってもよく話すような間柄であればDuを使って会話する。

duとSieの使い分けルール

duとSieの使い分けについては、インターネット上でも様々な意見がある。実際に年齢や住んでいる地域によって使いわけ方はかなり異なるようだ。また、ドイツ人の間でも、duで話すべきかSieで話すべきかについて統一した見解はなく、ときおり議論となることがある。

日常生活における使い分けは、次のように考えておくといいだろう。

Sieで話すパターン

  • 店員との会話で初対面の場合。
  • 役所や病院で働く人との会話。
  • 相手が教師の場合。
  • 電話での問い合わせ。(相手との面識がない場合)
  • 道を尋ねる場合。

duで話すパターン

  • 相手が家族の場合。
  • 相手が小さな子どもの場合。
  • 相手がクラスメートである場合。
  • パーティーなどで相手と知り合った場合。

一概には言えないパターン

  • 職場では社内のルールに従おう。
  • 仕事の面接では、相手から申し出があるまではSieを使おう。
    (面接担当者からduで話しましょうと言われることが多い)

どちらを使えばいいのかわからない場合は、とりあえずSieを使いましょうというアドバイスもあるけどあまりオススメしない。なぜなら、不自然な場面でSieを使われると聞く側は何を言ってるのか理解しづらいからだ。

ドイツに住んでいるならばなるべく早い時期にduをメインで使う、心配な場合は相手に尋ねるというスタンスに切り替えよう。

地域や年齢による違い

duとSieの使い分けは、住んでいる地域や年齢などによって見解が大きく異なる。

南ドイツやオーストリアではSieを使う機会が多く。その他の地域ではduを使った表現を使う機会が多いと言われる。ベルリンでは特にかしこまった表現を嫌うのでduを使って話すのが好まれる。

ドイツでは、ここ数十年間の間にできるだけ敬語は使わない方向に社会が変化してきた。つまり、年齢によってもduとSieの使い分けに対する見解は大きく異なる。

duとSieにまつわるフレーズ

duzen・siezenにまつわるドイツ語のフレーズをいくつか紹介しよう。

duでしゃべり掛けてもいいか相手に尋ねる場合

Darf ich Sie duzen?
duでお話してもいいでしょうか?

話し相手が気を使いSieを使ってきた場合

Du kannst du zu mir sagen!
ドゥーで話しかけていいんだよ!

話し相手がduを使ってきて気分を害した場合

Seit wann duzen wir uns?
いつからドゥーで話す仲になったの?

Sieとduの中間の表現

Sieとduの中間の表現としてDuを使うこともできる。

これは特に若い人の間で使われる表現で、du・deiner・dir・dichをDu・Deiner・Dir・Dichと書くことによって表現する。親しみを感じさせながらも失礼ではない表現といえる。

もちろんこれは書き言葉でしか使えない。

Sieを使った文の作り方

Sieを使った文の作り方を習っていこう。

人称代名詞の変化

Sieを使った文はあなたにあたる人称代名詞をSieに替えることによって表現する。人称代名詞が3格や4格であっても同様だ。

Sieを使った表現を使う場合は、単語の最初を大文字で書く。

1格2格3格4格
duzendudeinerdirdich
siezenSieIhrerIhmSie

Sieを使った例文

duを使った例文を、Sieを使った文に変換しながら、Sieを使った文の作り方を勉強していこう。ここでは、人称代名詞の頭の大文字・小文字に注目してほしい!

Wie lange arbeitest du heute?
あなたは今日どれくらい働きますか?
 ⇕
Wie lange arbeiten Sie heute?
Du bist hier herzlich willkommen.
あなたと知り合えてうれしいです。
 ⇕
Sie sind hier herzlich willkommen.

Sieを使う場合、動詞のseinはistではなくsindに活用する。

Könnt ihr mir bitte euren Namen sagen?
あなたたちの名前を言ってもらえますか?
 ⇕
Können Sie mir bitte Ihren Namen sagen?

2人称複数形のihrを丁寧表現にする場合は、duの時と同様にSieを使う。

なぜ3人称複数を敬称として用いるのか?

なぜドイツ語では3人称複数を敬称として用いるのか考えてみよう。

相手への敬意を示すために、特定の相手に対して2人称単数以外の代名詞を用いるのはヨーロッパの言語ではよく見られる現象だ。
現在でも、以下のヨーロッパ言語で他の人称代名詞を敬称として使っている。

3人称単数スペイン語、オランダ語
2人称複数フランス語、ロシア語、スウェーデン語(現在では使われない)
3人称複数ドイツ語

ドイツ語では、古くには「Euer Gnaden」「Euer Majestät」といった敬称が王に対して用いられていた。このeuerの表現がいつからかSieに変化し、大衆の間で使われるようになっていったようだ。

なお、ドイツ語では日本語の「~様」にあたる表現(Anrede)として、HerrやFrauが用いられるが、これらは過去には王や貴族に対してのみ使われていたそうだ。

まとめ

  1. ドイツ語にも日本語と同様に敬語にあたる表現がある。duにあたる人称代名詞をSieに替えることで表現する。
  2. 日本語の敬語とは違い、Sieで話すか否かは相手との上下関係ではなく、相手との親しさを基準に決められることが多い。
  3. duとSieは話し相手との親しさや場面によって使い分ける。また、住んでいる地域や年齢層によっても見解が異なるので注意が必要。判断が難しい場合は相手に尋ねるようにしよう。