この記事では、ドイツ語検定(以下、独検)3級の概要や攻略のポイント、また、押さえておきたいポイントを確認していきたいと思う。
この記事は以下のような人には特にオススメだ。
- 独検3級が自分にとって最適な試験なのか知りたい人。
- すでに独検3級を受験する予定でベストな勉強方法を知りたい人。
- 独検3級を間近に控えていて、最後の得点アップを狙いたい人。
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目次
試験の概要
まずは独検3級の概要(必要レベルの把握・試験の科目など)を確認しよう。
すでに申し込みを終えた人はこの章は読み飛ばしてもらってOKだ!
試験のレベルと対象者
独検3級の検定基準は以下の通りだ。
- ドイツ語の初級文法全般にわたる知識を前提に,簡単な会話や文章が理解できる。
- 基本的なドイツ語を理解し,ほとんどの身近な場面に対応できる。
- 簡単な内容のコラムや記事などの文章を読むことができる。
- 短い文章の内容を聞き,簡単な質問に答え,重要な語句や数字を書き取ることができる。
- 対象は,ドイツ語の授業を約120時間(90分授業で80回)以上受講しているか,これと同じ程度の学習経験のある人。
- 語彙2000語
独検公式サイトより引用
独検3級は、5級・4級と比較するとより実践的なドイツ語能力が問われる試験。
ドイツ語をコミュニケーションのためのツールと考える人にとっては、3級は最低限のレベルと言えそうだ。
テストの構成と解答形式
独検3級は「筆記試験」と「聞き取り試験」から構成される。問題の回答形式は多くは選択式だが、一部の問題は自分で単語を記入する形式となる。
試験時間は以下の通りだ。
- 筆記試験 – 60分
- 聞き取り試験 – 30分
配点と合格点
配点は一つの正解ごとに以下のように配点される。
- 筆記試験 – 32問 ✖️ 3点
- 聞き取り試験 – 6問 ✖️ 3点 + 4問(第3部) ✖️ 4点
合格に必要な点数は試験の度に異なる。必要な点数の算出方法は公表されていないが、独検3級ではおおよそ55〜65点が合格のための最低点となる。
独検は合格・不合格の通知だけが送られてくるシステムとなっているので、自分が獲得した点数はわからない。
独検3級は毎年、夏と冬に試験が行われる。試験日程・費用・会場などについては独検の公式サイトを参考にしてほしい。
独検 (ドイツ語技能検定試験) 公式サイト :: http://www.dokken.or.jp
Goethe Zertifikatを受けるべきか?
独検3級を受けることを検討している人の中には、Goethe ZertifikatやTelc Deutschといった欧米のドイツ語検定を受けるべきか悩んでいる人も少なくないだろう。
ドイツ語検定3級はGoethe ZertifikatのA2に対応するレベルとなる。Goethe ZertifikatやTelc Deutschは文章を書く問題(schreiben)や口述問題(sprechen)も含まれるのでより実践的な試験だといえるだろう。
近い間にドイツへの留学や滞在を予定している人はGoethe ZertifikatやTelc Deutschを受講したほうがいいだろう。日本で生活をしている人は日本国内でよく知られた独検を受講するのがいいだろう。
独検3級の試験対策
独検3級は、4級・5級と比較するとグッと難しくなる!4級の合格率が70%前後であったのに対し3級は50%前後となっている。
テストのための準備をしっかりとしてきた者だけが合格できる試験なので、早めに試験勉強を始めよう。
この記事では、試験を「文法問題」「長文問題」「聞き取り問題」の3つのパートに分類して、それぞれに最適な勉強法を紹介していこうと思う。
文法問題のチェックポイント
筆記試験の1〜5問目まではドイツ語の文法についての問題だ。
ここでは以下の3つの点に重点を置いて勉強しよう。
- 現在完了形の作り方
→ haben型とsein型の使い分け
→ 過去分詞の作り方 - 前置詞の使い分け
→ 動詞と前置詞の代表的な組み合わせ - 再帰動詞・再帰代名詞の使い方
→ よく使われる再起表現を覚えておく
なお、筆記試験の4・5問目は適切な単語を選択する問題。これは特に難易度が高くなっているのでしっかりと対策しよう。
なんとなく選択肢を選ぶのではなく、しっかりとした文法的な裏付けの基に適切な単語を選べるように、ドイツ語文法の基礎を確認しておこう。
現在完了形の作り方
ドイツ語の6つの時制のうち、過去のことについて述べるのは「過去形」と「現在完了形」。特に話し言葉においては現在完了形がよく使われる。
ドイツ語の現在完了形は「sein/haben + 動詞の過去分詞」で表現される。
ドイツ語の現在完了形の作り方については以下の記事で詳しく解説しているのでそちらを読んでほしい。
前置詞の使い分け
ドイツ語の前置詞は時間や場所を示す際に使われることも多いが、ここでは動詞とセットで使われる前置詞に重点をおいて勉強してほしい。
「interesse an + 3格」「reden von + 3格」といったような、よく使われる動詞と前置詞のセットは抑えておこう。
再帰動詞・再帰代名詞の使い方
再帰代名詞とは動詞とセットで使われるsichなどの事。sichと共に使われる動詞は再帰動詞と呼ばれる。
再帰動詞・再帰代名詞についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、確認したい人は読んでみてほしい。
なお、あまり意識して考えることはないが、再帰代名詞には3格を取る場合と4格を取る場合がある。
長文問題のポイント
筆記試験の6〜8問目は長文問題だ。回答形式はすべて選択式だが、独検5級・4級と較べると難しい問題が多く、文章に対するより深い理解を求められる。
長文問題の対策として、以下の3つのポイントを意識しながら勉強しよう!
文の意味を細部まで読み取る
手紙・メールのフレーズに慣れる
- 日常会話で使われる表現を覚える
文の意味を細部まで読み取る
独検3級の長文問題は文章の意味や選択肢として出てくるドイツ語の文を正しく理解しないと答えることができない。
「es」や「ihn」などの代名詞が出てきたら、それがどの単語を言い換えているのか答えられるように練習しておこう。
また、「trotzdem」や「außerdem」などといった接続詞も文を正しく理解する上で重要な役割を果たす。
接続詞に自信が無い人は以下の記事で復習しておこう。
手紙・メールのフレーズに慣れる
独検3級からは手紙やメールを読んで質問に答える問題が出題される。ドイツ語の手紙やメールには書き出しや締めの部分で決まったフレーズがよく使われる。
ダイレクトに得点に繋がることは少ないかもしれないが、これらの形式に慣れておくことにより、文章を理解するスピードを早めることができる。
こちらの記事ではドイツ語の手紙の書き方について説明している。手紙に関連する単語も紹介しているのでぜひ読んでみてほしい!
日常会話で使われる表現を覚える
筆記試験の7問目は会話を読んで空白部分を選択肢の中から選ぶ問題。大学の同級生についての話や待ち合わせなど、ごく日常的な会話がテーマとなることが多い。
ここでは文章の前後の流れを理解したうえで、最も適切な文を選ぶように心がけよう!
文章全体を埋め終わったら最初から最後まで通しで会話を読んでみて、話の流れが不自然で無いかもう一度確認するようにしよう。
聞き取り問題のポイント
続いて聞き取り問題のポイントについても確認していこう!問題の形式に慣れておくことにより、確実に得点を稼ぐことができるはずだ。
第一部のポイント
第一部はドイツ語の会話を聞いて質問に答える問題だ。
この問題は会話の後半で話の流れがひっくり返ることも多い。必ず会話を最後まで聞いてから選択肢を選ぶようにしよう。
また、時間や値段などの数え方が問われる問題も多い。あらかじめ練習しておいたうえで、落ち着いてしっかりと聞き取ろう。
以下の記事では、ドイツ語での時刻の言い方や気をつけるポイントについて解説している。一度、目を通してみてほしい。
第二部のポイント
第二部は文章を聞き取り、もっとも適した絵を一枚選ぶ問題だ。質問は文章に続いて放送される。この問題では質問を正しく聞き取れるかどうかもポイントとなってくる。
この問題を解くコツは、あらかじめすべての絵に目を通しておき、どの部分が異なるかを頭に入れておくことだ!
また、人物や物の位置関係を説明する問題もよく出題される。「vorne」「unter」といった位置をあらわす単語はあらかじめ勉強しておこう。
第三部のポイント
第三部はドイツ語の会話を聞いたのち4つの質問に答える問題。質問は会話に続いて放送される。質問は回答用紙に目を通せばおおよそ予測することができる。
質問に関連する部分に重点をおきながら会話を聴き取り、ポイントとなる単語はすべてメモを取るようにしよう!
1回目の放送ですべての問題に回答し、2回目の放送で間違いが無いかチェックするような流れで回答できれば、この問題で点数を稼ぐことができるだろう。
独検3級対策にオススメの参考書
最後に当サイトがオススメする独検3級の参考書を紹介しておこう!
独検合格のために作られた定番の参考書「ノイ」。「発音」「文法」「会話文」「読解」と分野別にトレーニングでき、確実に合格へと導いてくれる独検のガイドブックと言える一冊だ!
次に紹介したいのが独検の過去問題集。この本は独検5・4・3級の過去問題のみならず回答の解説や過去の合格点なども掲載されている。独検を受験するなら絶対にもっておきたい一冊と言えるだろう!
単語の学習には超定番のキクタンシリーズ。キクタンにはなんと独検3級レベルに対応したものもある。ナレーションにも定評があるキクタン。この本もできれば入手しておきたい!
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