この記事では、人気No.1のドイツ語辞書「アクセス独和辞典」を徹底的にレビューするぞ!
この記事は特に初めてドイツ語辞書を購入する学生の人たちに向けて書いているが、辞書の買い替えを検討しているドイツ語学習者さんにも役立つ内容となっている。
なお、辞書アプリや電子辞書を使用している人も多いと思うが、当サイトでは一冊はある程度ボリュームのある紙の辞書を持っておくことを強くオススメする。
なお、「アクセス独和辞典」「クラウン独和辞典」「アポロン独和辞典」の3つの定番独和辞典を比較した記事もある。自分にとってベストな一冊を選ぼう!
目次
アクセス独和辞典の概要
まずはアクセス独和辞典の概要を確認しよう!
「アクセス独和辞典」はドイツ語辞書のベストセラーで、長い歴史を誇る日本のドイツ語学習の集大成とも呼べる究極の一冊。
最新版は2010年に出版された第3版。(もちろん2006年に実施されたドイツ語の新正書法に対応している。) 改定のたびにクオリティをアップしてきているだけあって、「使いやすさ」「収録語の充実度」「付録の内容」といった面でこれ以上は無いといったレベルまで作り込まれている。
ドイツ語辞書ならではの工夫もしっかりと施されている。例えば、名詞や動詞の変化形が見出しとして掲載されており、これは初心者にはありがたい工夫だ。また、必要な場面では例文も豊富に収録されているので、ネイティブスピーカーにしかわからないような単語のニュアンスまで掴むことができるようになっている。
また、中級から上級にかけて上達の鍵となってくる単語の熟語表現も漏らさず掲載しているので、プロの翻訳者を志す場合を除き「ある程度のレベルまで来たら辞書を買い換える」という必要もない。
公式ページ:: https://www.sanshusha.co.jp/np/isbn/9784384012347
アクセス独和辞典の良い点
では、「クラウン独和辞典」「アポロン独和辞典」といった他のドイツ語辞書とも比較したうえで気付いた「アクセス独和辞典」の長所について書いていこう。
収録語数73500語
この辞書の売りのひとつとなっているのがその収録語数。73500語という語数は他の同価格帯の辞書と比較しても断然多い。この収録語数を決め手としてこの辞書の購入に至る人も少なくないと思う。
実際に他の辞書と比較してみると、他の辞書には無いがこの辞書には掲載されている単語をすぐに見つけ出すことができる。ただし、それが大きな長所かというとそれほどでも無いというのが著者の正直な感想。
なぜならこの辞書のみに掲載されている単語の多くは複数の単語が組み合わさって出来た複合語であり、もし掲載していなかったとしても意味がある程度推測できるからだ。
単語の変化形が分かり易い
ドイツ語初学者がつまづく大きな要因のひとつが単語の変化形の種類の多さだ。動詞の人称変化、例外的な名詞の語尾変化など、ひとつの単語に対して覚えなければいけない事がやたらと多いのがドイツ語。(その反面、基礎をマスターすれば応用が効きやすい言語でもある。)
アクセス独和辞典では、こういった単語の変化したかたちを見出しのすぐ下に分かりやすく掲載している。これは他の辞書には無いメリットで、こういった工夫に助けられるドイツ語学習者も多いだろう。
巻末の和独辞典が使える!
普段、独和辞典を使用している人でも、時には自分の頭の中に浮かんだ日本語の単語を元にドイツ語の文章を組み立てたいという場面もあるだろう。
そんな時のために多くの独和辞典が巻末に簡易な「和独辞典」を備えている。アクセスはそんな和独辞典にもこだわっており、計13500語もの日本語単語が見出しとして掲載されている。
日常生活で思い浮かぶような単語のほとんどは網羅しており、こういったおまけ的な和独辞典には珍しく”使える”内容となっている。
付録がとにかく役に立つ!
この辞書の付録はとにかく役に立つものが多い。
- ドイツ語圏の国の基本情報
- 日常会話のフレーズ集
- 基礎的な文法解説
- 不規則動詞の一覧
これだけの内容が揃っていれば、その他のドイツ語関連の参考書を併せて使用する必要は無いはずだ。
日本のドイツ語界をリードする出版社&編集者
この辞書をオススメする理由は他にもある。それは日本のドイツ語学習の権威である”在間進先生”が編集をおこなっている点だ。
在間先生は東京外国語大学の名誉教授であり、数々のドイツ語参考書の執筆も行っている。もちろん、ドイツ語学習者が悩む点や必要とする情報をとてもよく理解している。これがアクセス独和辞典の一歩先に行く使いやすさに繋がっているのだろう。
アクセス独和辞典の悪い点
次に、購入を考え直すほどのデメリットではないかもしれないが、この辞書を使ってみて著者が感じたマイナスの部分についても2点ほど挙げてみたい。
サイズと重さ
アクセス独和辞典は「クラウン独和辞典」「アポロン独和辞典」と比較すると、数ミリの範囲ではあるが大きい。また、ページ数は300ページほど多い。そのため分厚く重い。
著者は一般的な男性よりは手が小さいというのもあるが、この辞書を片手で持つと若干不安定なかたちになる。また、持ち運ぶとなると大きさや重さはどうしてもネックになりがちだ。
アクセス独和辞典は一般的な辞書と比較して特に大きい訳ではないが、「クラウン独和辞典」「アポロン独和辞典」と較べると扱いやすさは劣る。
* 右側がアクセス独和辞典。左側はクラウン独和辞典。
見出しが多すぎる
アクセス独和辞典では、収録語数が多いのに加え、動詞の過去分詞なども見出しとして掲載されているためとにかく見出しが多い。見出しを増やすために単語の解説を削っているかのように感じられるページも少なからずある。
重要な基礎単語については、しっかりと十分な説明がなされているが、重要度がワンランク下の単語については、日本語訳を載せるだけに感じられるのは残念な点だ。
三修社のドイツ語辞書
三修社は辞書を専門とする老舗の出版社で、特にドイツ語関連の書籍には強い。
アクセス独和辞典以外にも、ドイツ語学習のスタンダードと言えるような優れた辞書を数冊出版している。著者は実物を見たことが無いが、有名なものをいくつか紹介しておこう。
アクセス和独辞典
アクセスには独和だけでなく和独辞典もある。
当サイトとしては最初の一冊目には、独和辞典を買うことをオススメするが、どうしても和独のほうが使いやすいと感じる人は購入の選択肢に入れてみてもいいかもしれない。
プロとしてドイツ語の文章を書く人にとっては、より適切な表現を導き出すためのヒントとなるはずなので、独和と併せて和独も購入するのがいいかもしれない。
新現代独和辞典
アクセス独和辞典で満足できなくなってきた人は、より見出し語の多い「新現代独和辞典」を手にしてみてもいいかもしれない。
まとめ
さて今回は人気No.1のドイツ語辞書であるアクセス独和辞典をレビューしてきた!
アクセス独和辞典が現在、初心者にもっともオススメできる一冊であることは間違いない。ただ、好みや使い方によっては「クラウン独和辞典」「アポロン独和辞典」のほうがしっくり来る人もいるかと思う。
いずれにせよよく検討したうえで、お気に入りの一冊を見つけてほしい!
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