ドイツ語の後綴りを学ぶ!接尾辞の一覧と単語の例。

ドイツ語の接尾辞

この記事では、ドイツ語の単語を構成する重要な要素である接尾辞(後綴り)について解説していきたい。

ドイツ語の上級レベルともなると膨大な量の語彙を学ばなくてはいけないが、接尾辞はその助けとなるありがたい存在。

今回は少しだけ視点を変えて、ドイツ語の単語と違った角度から向き合ってみよう。

では、見ていこう!

接尾辞(後綴り)とは?

接尾辞 (Suffix)・後綴り(Nachsilbe)  

ドイツ語の単語は接頭辞(Präfix)・語幹(Wortstamm)・接尾辞の3つのパートに分けて考えることができる。

例を3つほど挙げてみる。

  • verbinden ver(接頭辞)+ binden(語幹)
  • freundlich freund(語幹) + lich(接尾辞)
  • Aufstellung auf(接頭辞) + stell(語幹) + ung(接尾辞)

ひとつの単語で複数の接尾辞を持つ単語も少なくない。

Ungenauigkeit ➡ un(接頭辞)+ genau(語幹)+ ig(接尾辞) + keit(接尾辞)

Ahnungslosigkeit ➡ Ahnung(語幹)+ s + los(接尾辞) + ig(接尾辞)+ keit(接尾辞)

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接尾辞の一覧

ドイツ語で使用される接尾辞を一覧で確認しよう。

  • 名詞の接尾辞
    -ung, -heit, -keit, -nis, -ling, -schaft, -tum, -tät
  • 形容詞の接尾辞
    -ig, -lich, -isch, -sam, -haft, -bar, -reich, -arm, -voll, -los, -frei
  • その他の接尾辞
    -chen, -lein

名詞を造る接尾辞

次に挙げる接尾辞は動詞・形容詞などを名詞に変化させる時に使用する。

-ung

ungは動詞を名詞に変化させるときによく使用される。このパターンは非常に多いので例には事欠かない。

基の単語名詞意味
einladendie Einladung招待
prüfendie Prüfung試験
heizendie Heizung暖房

-keit

keitは形容詞を名詞に変化させるときに使用する。ドイツ語らしい響きを持つ接尾辞なので覚えやすいだろう。

基の単語名詞意味
einsamdie Einsamkeit孤独感
möglichdie Möglichkeit可能性
notwendigdie Notwendigkeit必要性

-heit

heitはkeitと並んで形容詞を名詞に変化させるときに使用する。keitやheitで終わる名詞はすべて女性名詞である。

基の単語名詞意味
freidie Freiheit自由
zufriedendie Zufriedenheit満足感
sicherdie Sicherheit安全

-nis

nisで終わる単語には女性名詞のパターンと中性名詞のパターンがある。気を付けよう。

基の単語名詞意味
erlaubendie Erlaubnis許可
kennendie Kenntnis知識
geheimdas Geheimnis秘密

-ling

lingで終わる単語はある種のグループに属する人間を指す言葉が多い。lingで終わる単語はすべて男性名詞となる。

基の単語名詞意味
fluchtender Flüchtling難民
neuder Neuling新入り
lehrender Lehrling見習い

-schaft

schaftで終わる語は、ある種の人間の集合をあらわす。schaftで終わる単語はすべて女性名詞である。

基の単語名詞意味
geselligdie Gesellschaft社会
gemeinsamdie Gemeinschaft共同体
freunddie Freundschaft友情

-tum

-tumは大昔には「権力・威厳・所有」などを意味するひとつの名詞だった。現在でもtumで終わる単語はその名残が感じられるものも多い。

基の単語名詞意味
reichder Reichtum
irreder Irrtum間違い
eigendas Eigentum所有物

-tät

-tätは人や物質の性質を示す接尾辞。tätで終わる単語はすべて女性名詞となる。

基の単語名詞意味
atraktivedie Attraktivität魅力度
mentaldie Mentalitätメンタリティ
realdie Realität現実

形容詞を造る接尾辞

名詞や動詞から形容詞を造る接尾辞を見ていこう。

特に最初に紹介する「-ig」「-isch」「-lich」の3つは特に使われることが多い接尾辞だ。

-ig

-igは「語源が示すものが存在する」といったニュアンスを持つ形容詞。

基の単語形容詞意味
die Eileeilig急ぎの
das Eckeckigとがった
die Ruheruhig静かな

-isch

-ischで終わる形容詞は「語幹が示すもののように」といった意味合いを含むことが多い。

基の単語形容詞意味
die Logiklogisch論理的
der Neidneidisch羨ましい
das Japanjapanisch日本の

-lich

-lichはよりニュートラルな形容詞であり、語源の単語を形容詞化しただけのパターンが多い。

基の単語形容詞意味
die Angstangstlich不安げな
der Berufberuflich仕事として
das Glückglücklich幸運な

-haft

基の単語形容詞意味
der Zauberzauberhaft魅惑的な
der Fehlerfehlerhaft間違った
das Rätselrätselhaft謎めいた

-los

-losは「~が無い」といった意味合いを付加する形容詞だ。接尾辞の中ではもっとも明確なニュアンスを持っていると言えるだろう。

基の単語形容詞意味
der Atematemlos息もつかせぬ
das Endeendlos無限の
Kostenkostenlos無料の

-voll

-vollは「~に満ちた」といったニュアンスを持つ接尾辞。
vollをlosに変えると反対の意味になるパターンが多い。
anspruchsvoll ⇔ anspruchslos, sinnvoll ⇔ sinnlos

基の単語形容詞意味
der Anspruchanspruchsvoll要求の多い
der Humorhumorvollユーモアに富んだ
der Sinnsinnvoll有意義な

-bar

-barは「~できる」という意味合いを付加する接尾辞。英語の「able」にあたるニュアンスだと考えていいだろう。

基の単語形容詞意味
machenmachbar実現可能
denkendenkbar考えうる
sehensichtbar目に見える

-sam

-samは性質や特性を語る形容詞に使われる接尾辞。

基の単語形容詞意味
achtenachtsam注意深い
sparensparsam倹約な
ratenratsam的を得た

-frei

-freiは「~無しの」といったニュアンスを持つ接尾辞。

基の単語形容詞意味
der Alkoholalkoholfreiノンアルコールの
der Akzentakzentfrei訛りの無い
Kostenkostenfrei無料の

その他の接尾辞

ドイツ語の接尾辞にはさらに指小辞(Diminutivsuffixe)と呼ばれる種類のものがあり「-chen」「-lein」がそこに分類される。

-chen

chenは他の接尾辞とは若干異なり、名詞の語尾に付け加えあらたな名詞を生み出す。chenを付けることにより、小さい、可愛いといったニュアンスが加わる。

基の単語名詞意味
die Magddas Mädchen女の娘
die Märdas Märchen童話
der Schatzdas Schätzchen可愛い子ちゃん

-lein

-leinはchenと同様に語尾に付けることにより、小さいとうニュアンスを加える。

基の単語名詞意味
der Manndas Männlein小男
der Tischdas Tischleinスモールテーブル
der Vogeldas Vöglein小鳥

まとめ | ドイツ語の後綴りを学ぶ!

この記事では、ドイツ語の接尾辞を紹介してきた。

この記事を読んで、ドイツ語単語の持つ魅力を再発見してもらえたらうれしい!

まとめ
  1. ドイツ語の接尾辞は動詞・形容詞を名詞化したり、名詞・動詞を形容詞化したりするのに使われる。
  2. 名詞の接尾辞としてよく使われるのは、-ung, -heit, -keitの3つでこれらはすべて女性名詞となる。
  3. 形容詞の接尾辞でよく見かけるのは-ig, -lich, -lisch。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。