ドイツ語の命令形を習う!sein・werdenの命令文も紹介。

ドイツ語の命令形を習う

今回はドイツ語の命令形について勉強しよう。

命令文は意識していなくても、日常生活の中で高い頻度で使用しているスタイルだ。 “命令”とはいっても、もちろん丁寧に頼み事をするときにも使えるぞ。

では、見ていこう!

命令形・命令文とは?

命令形 Imperativ

動詞の数ある活用のなかで、命令文において使われるスタイル。指示を与える対象によって3つのパターンがある。

命令文 Imperativsatz

誰かに対して指示を与えるための文。
日本語でいうと「聞いてください」や「座れ」などがそれにあたる。

命令文の使い方

では、命令文の使い方を習っていこう!

命令文の動詞の活用

命令文では指示を与える対象によって動詞は3つのかたちに活用する

以下が命令文で使う動詞の3つのかたちだ。

  1. 指示の対象がひとりの場合

    (例文) Geh weg! あっちへ行け!

    この場合、動詞は2人称単数の活用から-stを取り除いたかたちとなる。
    (不定詞) gehen ⇒ (2人称単数) gehst ⇒ (stを取り除く) geh    

  2. 指示の対象が複数の場合

    (例文) Wartet ihr bitte draußen. 君たちは外で待っていて下さい。

    この場合、動詞は2人称複数のかたちとなる。
    (不定詞) warten ⇒ (2人称複数) wartet

  3. 丁寧な命令文

    (例文) Kommen Sie bitte. こちらに来て下さい。

    この場合、動詞は不定詞のままとなる。丁寧な命令文では、Sieを動詞の後につける。 丁寧な命令文では、指示の対象が何人であるかは関係ない。

命令文は常に誰か相手がいたうえで使用するので、対象は常に「君」か「君たち」などの2人称となる。つまり、命令文では主語が「私」や「彼」になることは無い。

命令形の活用を確認する

命令文でよく使う動詞kommen, warten, sagen, nehmenを使って、命令形のの活用を確認しよう。

対象がひとり対象が複数敬称
kommenkommkommtkommen
wartenwartewartetwarten
sagensag(e)sagtsagen
nehmennimmnehmt nehmen

命令文の例

例文を使って先ほど習った動詞の活用を確認しよう!
なお、命令文では動詞は常に文の最初に置かれる。

Sprich langsamer!
ゆっくりしゃべって!

命令文はよく副詞と一緒に使われる。
bittemalを使うことにより、ニュアンスを和らげることができる。

Sag mal, was hast du gemacht.
何をしたか言ってみなさい。
Entschuldigen Sie, bitte.
すいません。

様々な命令文

命令文には様々なバリエーションがある。おもな命令文のパターンを確認しよう!

seinを使った命令文

seinと形容詞を組み合わせることで、命令文を作ることも出来る。

対象がひとり対象が複数敬称
seinsei seid seien
Sei ruhig!
静かにしなさい。
Seien Sie bitte geduldig.
どうか辛抱強くいてください。

werdenを使った命令文

werdenを使って命令文を作ることもできる。
werdenは子供に注意をうながす際によく使われる。

対象がひとり対象が複数敬称
werdenwerde werdet werden
Werde erwachsen!
大人になれ!
Werden Sie doch Lehrer.
先生になってみなさい。

2番目の例は、命令よりも提案のニュアンスを強く持つパターン。

分離動詞の命令文

分離動詞を使った命令文でも、作り方のルールは同じだ。
前綴りは文の最後に配置される。

Schalte das Handy aus!
電話を切りなさい!
Kommen Sie herein.
入って下さい。

再帰動詞の命令文

再帰動詞を使った命令文も確認しておこう。

Setz dich!
座りなさい
Los, zieh dich schnell an!
早く服を着なさい!

否定の命令文

命令文は「~するな」といった否定の意味でも使うことができる。
こういった文は否定命令文と呼ばれる。

否定命令文のルール

否定命令文では、nichtやkeinなどの否定冠詞を使うことによって命令文を否定の意味に変える。

否定命令文の例

否定命令文の例文を見てみよう。

Sag nicht so einen Unsinn!
そんなバカを言うなよ!
Kaufe kein zu teures Auto.
高すぎる車は買うな。
Sei nicht schüchtern.
シャイになるなよ。

命令文の役割での分類

命令形の文は役割によって以下のように分類して考えることができる。

  • 指示
    (例)Folgen Sie den Anweisungen.
    指示にしたがって下さい。
  • 依頼
    (例)Bitte geben sie mir bescheid.
    私に教えて伝えてください。
  • 説明(取扱説明書など)
    (例)Schalten Sie das Gerät ein.
    機器のスイッチを切って下さい。
  • スローガン
    (例)Freie Tiere!
    動物たちを解放しろ!
  • アドバイス
    (例)Rauch nicht so viel.
    タバコの吸いすぎはよくないぞ。
  • 禁止
    (例)Betreten verboten.
    立ち入り禁止
まとめ
  1. 命令文では、対象がひとり、対象が複数、また丁寧な表現で動詞の3つの活用を使い分ける。
  2. 命令文はbitteやmalなどの副詞を一緒に使うことにより、ニュアンスを和らげることができる。
  3. seinやwerdenは命令文においては通常とは違う活用をするので注意が必要だ。seinの活用はsei・seid・seienとなる。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。