今回は日はドイツ語の学習や研究に使われる文法用語を見ていこう。
文法用語は必ず覚えなくてはいけないものではないし、ネイティブスピーカーも知らないことが多い。ただし知っておけばドイツ語の授業がより早く理解できるし、ふとした文法に関する疑問も簡単に調べることができる。
では、見ていこう!
目次
品詞
ドイツ語の単語は下の表のいずれかの品詞に分類することができる。
名詞 | n Nomen | ノ-メン |
代名詞 | n Pronomen | プロノーメン |
動詞 | n Verb | ビャーヴ |
助動詞 | n Modalverb | モダルビャーヴ |
前置詞 | n Präposition | プレポジツォーン |
形容詞 | n Adjektiv | アドイェクティーフ |
副詞 | n Adverb | アドビャーヴ |
冠詞 | n Artikel | アーティケル |
接続詞 | f Konjunktion | コンニュグツィオーン |
格
ドイツ語の格は、日本語の「はにをへ」みたいなものと考えよう。
ドイツ語の学習において、もっとも重要でもっとも苦労する部分なのでしっかりと抑えておこう。
格 | m Kasus | カズース |
~格 | m Fall | ファル |
主格 | n Nominativ | ノミナティーフ |
所有格 | n Genetiv | ゲネティーフ |
与格 | n Dativ | ダーティフ |
対格 | n Akkusativ | アクザティーフ |
活用 | f Konjugation | コンニュンクツィオーン |
語尾変化 | f Deklination | デクリナツィオーン |
主格が1格、所有格が2格、与格が3格、対格(目的格とも言う)が4格にあたる。
冠詞
冠詞は名詞の前に付くeinやdasなどのことだ。
定冠詞 | n bestimmter Artikel | ベシュティムター・アーティケル |
不定冠詞 | n unbestimmter Artikel | ウンベシュティムター・アーティケル |
否定冠詞 | n Negativartikel | ネガティーフアーティケル |
冠詞の活用表が欲しい人はこちらからどうぞ!
名詞
ドイツ語の名詞には3種類の性別がある。
単数形 | m Singular | ジングラー |
複数形 | m Plural | プルーラル |
男性名詞 | n Maskulinum | マスクリン |
女性名詞 | n Femininum | フェミニン |
中性名詞 | n Neutrum | ノイトゥルム |
代名詞
代名詞は特定の単語の代わりに使う名詞で、同じ単語を文中で何度も使用するのを防ぐために使われる。
人称代名詞 | n Personalpronomen | ペルゾーナルプロノーメン |
指示代名詞 | n Demonstrativpronomen | デモンストラティーフプロノーメン |
所有代名詞 | n Possessivpronomen | ポゼッシブプロノーメン |
再帰代名詞 | n Reflexivpronomen | リフレクシブプロノーメン |
関係代名詞 | n Relativpronomen | レラテイーフプロノーメン |
相互代名詞 | n Reziprokpronomen | レツィプロクプロノーメン |
動詞
動詞も役割ごとに分類することができる。自動詞と他動詞は格を決定する重要な要素だ。
補助動詞 | n Hilfsverb | ヒルフスヴャーブ |
話法の助動詞 | n Modalverb | モダルヴャーブ |
本動詞 | n Vollverb | ホルヴャーブ |
自動詞 | n intransitive Verb | イントランジティーフ・ビャーブ |
他動詞 | n transitive Verb | トランジティーフ・ビャーブ |
分離動詞 | n trennbares Verb | トレンバーレ・ビャー ブ |
非分離動詞 | n untrennbares Verb | ウントレンバーレ・ビャー ブ |
複合動詞 | n zusammengesetztes Verb | ツザメンゲゼッツテ・ビャーブ |
再帰動詞 | n reflexives Verb | リフレクシブ・ビャー ブ |
補助動・詞話法の助動詞・本動詞の分類は以下の通りだ。
- 補助動詞
haben, sein , werden - 話法の助動詞
können, müssen, dürfen, sollen, wollen, mögen(möchten) - 本動詞
(例) gehen, arbeiten, sitzen
形容詞
形容詞は名詞を修飾する品詞だ。
原級 | m Positiv | ポジティーフ |
比較級 | m Komparativ | コンパラティーフ |
最上級 | m Superlativ | ズーパラティーフ |
文のフォーム
ドイツ語にも受動態や命令形といったフォームが存在する。
受動態 | n Passiv | パッシーヴ |
命令形 | m Imperativ | インペラティーフ |
直接法 | m Indikativ | インディカティーフ |
仮定法 | m Konjunktiv | コンニュングティーフ |
時制
ドイツ語には6つの時制が存在する。
時制ごとに動詞のフォームや単語の順番が変わってくる。
現在形 | n Präsens | プレゼンス |
過去形 | n Präteritum | プレテリウム |
現在完了形 | n Perfekt | パーフェクト |
過去完了形 | n Plusquamperfekt | プルスクヴァムパーフェクト |
未来形1 | Futur I | フュートゥア・アインツ |
未来形2 | Futur II | フュートゥア・ツヴァイ |
文の組み換え
ドイツ語では、文の意味を変えることなく文を再構築することができる。その際に用いられる用語も覚えておこう。
名詞化 | f Nominalisierung | ノミナリジールング |
名詞化 | f Substantivierung | スブスタンティヴィールング |
動詞化 | f Verbalisierung | ヴャーバリズィールング |
形容詞化 | f Adjektivierung | アドイェクティヴィールング |
名詞的文体 | m Nominalstil | ノミナルスティール |
動詞的文体 | m Verbalstil | ヴャーバルスティール |
文の構成要素
文を構成する単語は以下のように分類することができる。
文成分 | n Satzglied | ザッツグリード |
主文 | m Hauptsatz | ハウプトザッツ |
副文 | m Nebensatz | ネーベンザッツ |
文節 | m Satzteil | ザッツタイル |
主語 | n Subjekt | スブイェクト |
述語 | n Prädikat | プレディカート |
補足語 | n Objekt | オビイェクト |
補語 | f Ergänzung | エアゲンツゥング |
添加語 | f Angabe | アンガーベ |
文中での役割
文中での役割ごとの呼称だ。
あまり意識する機会はないが、知っておくと文の理解が深まる。
条件文 | m Konditionalsatz | コンディツィヨナール |
因果文 | m Kausalsatz | カウザールザッツ |
時間文 | m Temporalsatz | テンポラールザッツ |
目的文 | m Finalsatz | フィナールザッツ |
結果文 | m Konsekutivsatz | コンゼクティーブザッツ |
譲歩文 | m Konzessivsatz | コンツェシーフザッツ |
単語の構成要素
ドイツ語の単語は以下のような要素に分解して考えることができる。
前綴り | f Vorsilbe | フォアズィルベ |
接頭辞 | n Präfix | プレフィックス |
語幹 | m Wortstamm | ヴォートシュタム |
語頭 | m Wortanfang | ヴォートアンファング |
語尾 | f Wortendung | ヴォートエンドゥング |
*前綴りと接頭辞は同じ意味で、er-やaus-など動詞や形容詞の頭に付け、単語の意味を修飾するために使われる。ドイツ語ではPräfix、日本語では前綴りと呼ばれることが多い。