ドイツ語の話法の助動詞。6つの助動詞の使い方!

ドイツ語の話法の助動詞

今日はドイツ語の話法の助動詞について勉強しよう。

話法の助動詞は文の意味をより正確にすることができる便利な単語。使いこなせるようになればドイツ語の表現力はグッと高まる!

また、ドイツ語の話法の助動詞は使い方の部分で英語との共通点がわりと多い。英語を普段から使っている人ならわりと早く使いこなせるはずだ。

では、見ていこう!

話法の助動詞とは?

話法の助動詞 Modalverb モダルビャーブ

話法の助動詞は本動詞と結びついて動詞に意味を加える。
なお、ドイツ語の動詞は以下の3種類に分類することができる。

  • 補助動詞
    haben, sein , werden
  • 話法の助動詞
    können, müssen, dürfen, sollen, wollen, möchten
  • 本動詞
    (例) gehen, arbeiten, sitzen

話法の助動詞の使い方

それぞれの助動詞を見ていく前に、基本的な使い方を確認しよう。

まず元の例文を見てみよう。

Ich spreche Deutsch.
私はドイツ語を話します。

この文を「できる」を意味する助動詞könnenを使って書き換えると、以下のようになる。

Ich kann Deutsch sprechen.
私はドイツ語がしゃべれます。

助動詞は名詞にともなって格変化したうえで文の2番目のポジションに置かれる元の動詞は不定詞の状態に戻し文の最後に移動する

2つ目の文のように動詞と動詞によって他の単語が挟まれている構造をドイツ語では枠構造と呼ぶ。これはドイツ語を勉強するうえで非常に重要な考えなので覚えておこう!

~できる können

それぞれの話法の助動詞を見ていこう。まずはkönnenから。
könnenは英語のcanに相当し、「~できる」という意味を文に付け加える。
他にも「~かもしれない」という意味でも使うことができ、非常によく使う助動詞だ。

könnenの人称変化

könnenの人称変化を確認しよう。動詞の語尾変化の「エストテンテン」と基本的には同じだが、異なる部分もある。

ichkann
dukannst
er/sie/eskann
wirkönnen
ihrkönnt
siekönnen

könnenの例文

könnenを使った例文を2つ紹介しよう。

Es kann morgen regnen.
明日は雨が降るかもしれない。
Wir können gut singen.
私たちは上手に歌えます。

~しなければならない müssen

次は「~しなければいけない」という意味のmüssen。英語のmustにあたる単語だ。「~に違いない」という意味でも使われる。

müssenの人称変化

müssenの人称変化を確認しよう。

ichmuss
dumusst
er/sie/esmuss
wirmüssen
Ihrmüsst
siemüssen

müssenの例文

müssenの例文を紹介しよう。

Ich muss heute zum Arzt gehen. 
今日は医者に行かなくてはならない。
Wir müssen eine Lösung finden. 
私たちは解決策を見つけないといけない。

~するべき sollen

sollenは「~するべき」という意味。英語のsouldにあたる。
müssenと意味は似ているが、müssenほどキツい表現ではない。

また、müssenは人から決められた決まりに対して、sollenは自分で決めた決まりに対して使うという違いがある。

sollenの人称変化

以下がsollenの人称変化だ。

ichsoll
dusollst
ersoll
wirsollen
Ihrsollt
siesollen

sollenの例文

sollenの例文を紹介しよう。

Ich soll Sport treiben.
僕はスポーツをするべきだ。 
Sollen wir auf den Bus warten? 
バスを待つべきですか?  

~してもいい dürfen

dürfenは「~してもいい」という意味。あえて言うならば英語のmayに近い。許可を求めるために使うことが多い。

dürfenの人称変化

以下がdürfenの人称変化だ。

ichdarf
dudarfst
erdarf
wirdürfen
ihrdürft
siedürfen

dürfenの例文

dürfenを使った例文を紹介しよう。

Darf ich hier rauchen?
ここでタバコを吸ってもいいですか?
Wir dürfen nicht spielen. 
僕たちは遊んではいけない。 

~したい mögen(möchten)

mögenは「~を好む」とか「~したい」という意味の助動詞。
möchtenという接続法2式のフォームで使われることが多い。
接続法2式の形で使われることがほとんどなので、この記事ではこの形で説明する。なお、接続法2式については上級編で習う。

möchtenの人称変化

möchtenの人称変化を確認しよう。

ichmöchte
dumöchtest
ermöchte
wirmöchten
ihrmöchtet
siemöchten

möchtenの例文

möchtenを使った例文を紹介しよう。

Ich möchte eine Katze haben.
猫がほしいなぁ。 
Möchtest du einen Kaffee trinken?
コーヒーを飲みたいですか? 

~したい wollen

wollenは「~したい」という意味の助動詞。möchtenと意味は同じだが、 頑固たる決意のような強いニュアンスで使われる。

英語のwillに似ているが、まったく違う単語なので注意しよう!

wollenの人称変化

以下がwollenの人称変化だ。

ichwill
duwillst
erwill
wirwollen
ihrwollt
siewollen

wollenの例文

wollenの使い方を例文で紹介しよう。möchtenとのニュアンスの違いに注目してほしい。

Ich will nicht mehr lernen!
もう勉強したくない!
Willst du Urlaub machen?
休みを取りたいですか?
まとめ

  1. ドイツ語には6種類の話法の助動詞がある。これらを使うことにより文に意味を加えることができる。
  2. 話法の助動詞を使う場合、助動詞は人称変化したかたちで2番目のポジションに配置される。元の動詞は不定詞のかたちで文の最後に配置される。こういった文の構造を枠構造と呼ぶ。
  3. können・müssen・sollenは、それぞれ英語のcan・must・shouldに対応する。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。