ドイツ語文法の基礎を習う。語順や大文字の使い方。

ドイツ語の文法・語順

今回はドイツ語文法の基本を勉強しよう!

ドイツ語は英語と兄弟にあたる言語なので似ている部分も多いが、文法の面から言えば共通点は少ない。英語の能力に自信のある人こそ、ドイツ語との違いに気を付けてほしい。

では、見ていこう!

ドイツ語の語順

まずはドイツ語文の語順にフォ-カスしてみよう。
ドイツ語は厳格な文法を持つイメ-ジがあると思うけど、語順に関しては割とフレキシブルな面もあるぞ。

語順は日本語に結構近い

次の文を見てみよう。

In Tokio habe ich zum ersten Mal Natto gegessen.

この文の単語をグループしてみると、以下のようになる。

In Tokio | habe | ich | zum ersten Mal | Natto | gegessen.

これをグル-プごとに日本語に訳すとこうなる。

東京で | しました | 私は | はじめて | 納豆 | 食べた

もし、”しました”にあたるhabeを文末に移動すれば、

「東京で私ははじめて納豆を食べました。」

となり、日本語とほぼ同じ語順だというのがわかるだろう。

実際には、このように語順が日本語とほぼ同じになるパターンは少ないのだけど、あればラッキー程度に考えておこう。

動詞は基本的に2番目のポジション

ドイツ語では、動詞は2番目のポジションに置かれる。
これを理解するために次の例文を見てみよう。

Ab Morgen gehe ich zur Arbeit.
僕は明日から仕事に行くよ。

これをグル-プ分けすると、

Ab Morgen | gehe | ich | zur Arbeit.

となる。

この文の中で動詞はgehen(行く)であり、2番目のポジションに来ている。

これが、ドイツ語では動詞は2番目のポジションに置かれるという原則だ。

最初に来る単語を変えることができる

動詞が常に2番目にくる代わりに、ドイツ語では文の最初にくる単語を比較的自由に選べる。

例えば、

Ich gehe nach der Arbeit in den Supermarkt. 
僕は仕事の後でスーパーに行くよ。

この文は以下のようにアレンジすることができる。

Nach der Arbeit gehe ich in den Supermarkt.
仕事の後で僕はスーパーに行くよ。

“仕事の後で”にあたるnach der Arbeitを頭にもってくることによって、「いつ」スーパーに行くのか強調できる。

In den Supermarkt gehe ich nach der Arbeit.
スーパーに仕事の後で行くよ。

“スーパーに”にあたるin den Supermarktを頭にもってくることによって、仕事の後で「どこに」行くのか強調できる。

この3つの文はドイツ語ではどれも正解だ。

ドイツ語では何を強調したいかによって、最初にくる単語のグル-プを変えることができる。

これには次のようなメリットがある。

  • 何を強調したいか伝えやすい。
  • 頭に浮かんだことを最初に言える・書けるので文をつくりやすい。
  • ichから始まるパターンをさけることができるので、長い文章を書くときに変化をつけやすい。

名詞が持つ特徴

次にドイツ語の名詞を見ていこう。

名詞は大文字ではじめる

名前は大文字で始めるという英語のル-ルを覚えているだろうか?

My name is Yamada Taro.

ドイツ語はそれとは違いすべての名詞は大文字からはじまる。
先ほどの2つの例文をもう一度よく見てみよう。

In Tokio habe ich zum ersten Mal Natto gegessen.
Ab Morgen gehe ich zur Arbeit.

文の最初の単語を除いて、Tokio・Mal・Natto・Morgen・Arbeitなどが大文字で始まっているのがわかるだろう。

これは書き間違えではない。ドイツ語ではichやduなどの代名詞を除いて、すべての名詞が大文字で始まるんだ。

すべての名詞が性別を持っている

ドイツ語の名詞には、男性・女性・中性という3つの性別がある。

これは、身の回りにあるモノに限った話ではなくて、”食事”や”仕事”なども性別を持っている。なかには、固有名詞である国名に性別が付いてたりもする。

名詞の性別を知りたいときは、素早く辞書を引くか、ネットに繋がるなら以下のサイトで調べよう。

和独辞典 Japanische-Deutsches Wörterbuch
wadoku.deはテュービンゲン大学が運営する最強のオンライン和独・独和辞典。名詞は性別付きで紹介されている。

性別によって冠詞が変化する

名詞の性別によって活用と呼ばれる単語の変化が起こる。
下の3つの例を見てみよう。

Ich kaufe einen Stift.
ペンを一個買います。
Ich kaufe eine Zeitung.
新聞を一部買います。
Ich kaufe ein Buch.
本を一冊買います。

Stift、Zeitung、Buchは、それぞれ、男性・女性・中性名詞だ。
何を買うかによって、名詞の前に付いているeinが変化しているのがわかるだろう。これがドイツ語の活用と呼べれる現象だ。

つまり、名詞の性別がわからないとドイツ語で正しい文を作れないわけだ。

動詞が持つ特徴

名詞の個性が際立つドイツ語だけど、動詞もかなり特徴を持っている。

動詞はほとんどがenで終わる

gehen(行く), arbeiten(働く), spielen(遊ぶ)といった具合に、ドイツ語の動詞はほとんどがenで終わる。

中にはwandern(ハイキングする)などの例外もあるけど、英語のように動詞なのか形容詞なのかわからないといった問題は少ないだろう。

なお、このenにあたる部分が語尾と呼ばれ、文中では主語によって変化する。

文中で他の単語と結びつく

ドイツ語のほとんどの動詞は、特定の格と一緒に使われることが決まっている。また、前置詞とセットで使われるものや、再帰動詞として別の意味で使える単語も存在する。

具体的なことは他の記事で説明していくけど、
動詞を辞書で調べる際は、日本語の意味を見るだけでなく、例文に目を通しどのように文中で使われているかを意識することが大事だ。

まとめ
  1. 動詞は2番目のポジションに置かれる。最初にくる単語は選べる。
  2. 名詞には3種類の性別がある。最初は毎回辞書かwadoku.deで調べて、徐々に見分わけ方を覚えていくのがおススメ。
  3. 動詞は日本語の意味を覚えるだけでは不十分。辞書を引く際は、例文に目を通しどのように文中で使われるかを確認する。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。