この記事では、無料で素早く高精度な日独・独日の翻訳ができるサイトを紹介しよう。
数年前までは精度が低く使い物にならなかった日独・独日の翻訳サイトだが、テクノロジーの進歩によって、自動翻訳の精度は現在では飛躍的に向上している。
今回は比較・検証実験をおこなったうえで、ベストな日独・独日の自動翻訳を選んだ。では、見ていこう!
目次
日独・独日の翻訳サイト
結果からいうと、今回3つの翻訳サイトを比較したのだけど、その中でベストな翻訳結果を出したのは、ドイツ発のベンチャー企業により創られた翻訳サイト「DeepL」だった。
文章のジャンルに関わらず、文法の間違いが無く原文の意味を保った信憑性のおける翻訳結果が出てきた。
3つの翻訳サイトを紹介
今回、試した3つの翻訳サイトを紹介していこう。
Google翻訳
Google翻訳は言わずと知れたGoogle社が提供する翻訳サイトで、Google Chromeをブラウザーとして使用している人であれば、必ず使ったことがあるだろう。100以上の言語を翻訳することができる。
2016年よりGoogle翻訳はニュートラルネットワークを使用した検索システムを導入している。文を単語ごとに分けて翻訳するそれまでの翻訳システムとは違い、文全体で意味を捉え翻訳を行うので適切な訳語を選ぶことができる。
Google翻訳の機能
- 言語の識別ができる。(何語から何語への翻訳か指定しなくていい)
- 音声入力の機能を持つ。
- 入力した文字列のみで無く、ウェブページ全体を翻訳できる。
DeepL翻訳
https://www.deepl.com/translator
DeepL翻訳はドイツのベンチャー企業「DeepL GmbH」が提供する翻訳サービス。Google翻訳と同様にニュートラルネットワークを用いた検索システムだ。
DeepLはベンチャー企業でありながら、Google翻訳を超える翻訳精度を実現したとして高い評価を得ている。2020年の春から日本語と中国語の翻訳に対応したばかりだが、すでにかなり高い精度の翻訳を実現している。
有料のDeepL Proにアップデートすることにより、翻訳支援ツールや開発者向けの機能が使えるようだが、通常のDeepLのみでも充分な翻訳機能を備えている。
DeepL翻訳の機能
- PCにインストールして使用できるソフト版がある。
- ワード、パワーポイントファイルの翻訳ができる。
- 翻訳した文の一部分をマークする事によって、翻訳候補の単語が選べる。
エキサイト翻訳
エキサイト翻訳は1997年にサービスを開始した老舗の翻訳サイト。日本のエキサイト株式会社が提供するサービスで、1990年以前に生まれた人であれば一度は使ったことがあるのではないかと思う。
専門性の高い文の翻訳においては精度が高いと評判であり、学生や技術職の人には人気があるサイトだ。30ほどの言語に対応している。
エキサイト翻訳では、単語の品詞(主語・目的語など)を解析したうえで、それぞれの単語を辞書に当てはめるという翻訳システムを用いている。
エキサイト翻訳の機能
- 翻訳の専門分野を指定することによって、より精度の高い翻訳ができる。
翻訳精度の検証
先の章で紹介した3つの翻訳サイトの翻訳精度を比較してみた。
用意した例文
検証のためにタイプの違う5つの日本語・ドイツ語の例文を用意して、それを基に比較をおこなった。日独・独日で評価が異なる事も考えられるので両方を調査している。
- 日常会話風
- ビジネスメール
- 契約書
- ユーザーマニュアル
- 小説
評価の基準
翻訳結果を評価する際は、過去の自動翻訳の問題点などを考慮して以下のような基準を設定してみた。
- それぞれの単語が適切に翻訳されているか?
- 翻訳後の文章は文法の面から考えて正しいか?
- 一つの単語が二重に訳されていたり、抜け落ちたりしていないか?
- 固有名詞(人物名や商品名)を正しく識別できるか?
- 曖昧な表現や崩した表現をどこまで理解できるか?
検証の結果
採点した結果を表にまとめると以下のようになる。
*採点はドイツ語のネイティブスピーカーである妻とともに行っています。前章で挙げた評価基準を基に、個人の主観も含めて採点しました。
日常会話 | ビジネス | 契約書 | マニュアル | 小説 | ||
日 ⇨ 独 | 7 | 7 | 7 | 7 | 7 | |
独 ⇨ 日 | 8 | 7 | 7 | 7 | 6 | |
DeepL | 日 ⇨ 独 | 8 | 9 | 8 | 9 | 8 |
独 ⇨ 日 | 7 | 7 | 7 | 8 | 7 | |
Excite | 日 ⇨ 独 | 7 | 5 | 6 | 7 | 4 |
独 ⇨ 日 | 4 | 5 | 5 | 6 | 5 |
人工知能を取り入れたGoogle翻訳とDeepL翻訳が、どの分野においてもいい結果を出したが、DeepLの翻訳した文章のほうがやや自然な印象が強かった。
小説の翻訳については、意味は基の文章を保っているもののプロの翻訳家の文とはまったく違うものとなった。