今回はドイツ語の接続法2式を勉強していこう。
この接続法2式は名前は”接続”というものの、文を接続するために使うのではない。接続法2式は仮定の話をする時や、丁寧さを表現をするために使われるものスタイルだ。
なお、接続法2式の文はみんなもきっと使ったことがあるはずだ。
では、見ていこう!
目次
接続法2式とは
接続法2式 Konjunktiv Ⅱ
事実とは異なる仮定や願望や表現したり、丁寧なお願いをする時に用いる文のスタイル。前者を仮定話法といい、後者を婉曲話法と呼ぶ。
接続法2式の文は、動詞を接続法2式の形に替えることによって表現する。
なお、接続法1式について知りたい人はこちらの記事をどうぞ!
接続法2式の作り方
接続法2式の動詞の作り方を勉強しよう。
sein・haben・werdenの接続法2式
3つの補助動詞(sein・haben・werden)の接続法2式のスタイルは以下の通りだ。どれも過去形から母音をウムラウトに変更した形となる。
不定詞 | 過去形 | 接続法2式 |
sein | waren | wären |
haben | hatten | hätten |
werden | wurden | würden |
通常の動詞の接続法2式
多くの動詞では接続法2式は動詞の過去形とまったく同じ変化をする。
過去形の作り方は、語幹 + t + 語尾だ。
例を見てみよう。
不定詞 | 過去形 | 接続法2式 |
kaufen | kauften | kauften |
arbeiten | arbeiteten | arbeiteten |
folgen | folgten | folgten |
不規則動詞の接続法2式
不規則動詞の多くは、接続法2式になると母音がウムラウトに変化する。
不定詞 | 過去形 | 接続法2式 |
finden | fanden | fänden |
kommen | kamen | kämen |
gehen | gingen | gingen |
wissen | wussten | wüssten |
仮定話法
まずは接続法2式を使った仮定話法の文を見てみよう。
日本語でいうと「宝くじに当たったら家を買いたい!」みたいな文が、仮定話法にあたる。仮定話法を使う場合、書き言葉と話し言葉で文章のスタイルが変わる。それぞれを見ていこう。
書き言葉
まずは書き言葉での例を見てみよう。
Wenn ich viel Geld hätte, kaufte ich einen Sportwagen. もしも、たくさんのお金があったなら、スポーツカーを買うよ。
これは典型的な仮定話法の例で、「Wenn ich ~ hätte」という副文を用いてる。この文ではhätteとkaufteが接続法2式だ。
話し言葉
話し言葉においては、würden+不定詞を用いるのが普通だ。
先ほどの例を話し言葉に書き換えると以下のようになる。
Wenn ich viel Geld hätte, würde ich einen Sportwagen kaufen. もしたくさんの金があるのなら、スポーツカーを買うよ。
「kaufte ich ~」が「würde ich ~ kaufen」に変化したのがわかるだろう。
婉曲話法
接続法2式のもう一つの使い方、婉曲話法について勉強しよう。
婉曲話法では、遠回しな表現を使うことによって丁寧さを表現する。
例を見てみよう。
Ich hätte gerne ein stilles Wasser.
飲料水をお願いします。
これはレストランなどで注文する際に使われるフレーズだ。耳にしたことがあるのではないだろうか?
なお、婉曲話法の文では、vielleicht・mal・gernといった副詞がよく一緒に使われる。
丁寧さのレベル
婉曲話法は助動詞と組み合わせることによってさらに丁寧な表現となる。
ここでは、通常の疑問文・婉曲話法・助動詞を使った婉曲話法の3つを比較して、文のニュアンスがどう変わるかを確認しよう。
通常の疑問文 Machst du bitte das Fenster zu? 窓を閉じてもらえる?
婉曲話法
Würdest du bitte das Fenster zumachen?
窓を閉じってもらってもいいですか?
相手が忙しそうな時など、頼むことをためらうときはこのような表現を使おう。
婉曲話法+助動詞
Dürfte ich dich bitten, das Fenster zuzumachen?
窓を閉じるよう、お願いしてもいいでしょうか?
助動詞を使った表現は丁寧過ぎて、親しい仲の相手に使うのは違和感がある。
- 接続法第2式には、仮定話法と婉曲話法の2つの使い方があり、前者は現実とは離れた仮定の話をするために、後者は丁寧な表現として使われる。
- 仮定話法においては、書き言葉と話し言葉とで文のスタイルが違う。話し言葉では、würden+不定詞を用いる。
- 接続法第2式は、規則動詞では過去形と同じ形になるが、不規則動詞では過去形のかたちから母音がウムラウトに変わる。