徹底攻略!TestDaF

徹底攻略!ドイツ語B1試験

この記事では、これらの試験のそれぞれの特徴を説明したうえで、科目ごとの攻略法を解説していこうと思う。ダイレクトに点数アップに繋がるようなアドバイスを目指して書いている。ぜひ、参考にしてほしい!

TestDaFの概要

ここでは、TestDaFの概要を確認したい。

TestDaFのレベル・難易度

テストの形式と時間配分

試験は大きく筆記試験(Schriftliche Prüfung)と口頭試験(Mündliche Prüfung)に分けられる。さらに筆記試験は「読解」「語彙と文法」「聴解」「文章表現」の4つに分類される。

筆記試験
(Schriftliche Prüfung)
読解 (Leseverstehen)
語彙と文法 (Sprachbausteine)
90分
聴解 (Hörverstehen)30分
文章表現
(Schriftlicher Ausdruck)
30分
口頭試験
(Mündliche Prüfung)
3つの課題からなる15分

筆記試験はマークシート方式。口頭試験はパートナーと2人1組で行い、試験官が基準に沿ってその場で採点をする。

筆記試験と口頭試験は休憩を挟んで同日に行われる。

テストの結果発表

どの形式・いつ?

TestDaFを日本で受講する

テストの日程

テストの料金

テストの申し込み方法

TestDaFの対策

では、ここから各科目ごとの攻略法を解説していこう。

それぞれの科目を以下の流れで説明していくぞ!

  • 各科目の問題形式
  • 回答を導き出すコツ
  • オススメの勉強方法

ここから先は実際の試験問題と照らし合わせながら読んでもらったほうがいい。

telc Deutsch B1の練習問題はtelcのウェブサイトから無料でダウンロードできる。

読解 Leseverstehen

最初に来るのは読解だ。読解は「Teil 1」「Teil 2」「Teil 3」の3つのパートに分けられる。

それぞれのパートへの時間配分も重要な要素となってくる。練習問題をこなして自分のやりやすい順番をあらかじめ見つけておこう。

Teil 1

Teil 1は新聞記事の見出しとテキストを読んで、正しい組み合わせを見つける問題。見出しは10題、テキストは5つからなる。ひとつの正解は5点。

Teil 1はコツを掴んでしまえば点数を稼ぎやすい。

この問題を解くコツは、最初にすべての見出しに目を通し、キーワードとなる単語にマーカーを引いておくことひとつのキーワードが複数の見出しに含まれている場合は、両者の異なる部分を頭に入れておく

こうする事によってテキストを読んだ際に、素早く、正確にテキストとキーワードの組み合わせを選ぶことができる。

Teil 2

Teil 2は1ページのほどのテキストを読んで5つの質問に答える問題。回答は3つの候補から選択する。Teil 2はドイツ語能力と共に国語の能力も求められる。また、ここでは引っかけに近い問題もある。ひとつの正解は5点。

Teil 2は正直むずかしい。あまり時間を掛け過ぎないように気を付けよう。

この問題を解くコツは、テキストを読む前にすべての質問と選択肢に目を通しておくこと。そうすることによって、テキストの主張が頭に入ってきやすい。

ただし、この問題ですべて正解するには、普段からの語彙を増やす努力や長文を読む練習が求められる。

Teil 3

Teil 3は10人のシチュエーションと12個の広告を読んで、マッチする広告を選択する問題。ひとつの正解は2.5点。

Teil 3はそれほど難しくはないが、注意力を求められる。

この問題を回答するコツはTeil.1と同様に、すべてのシチュエーションに目を通し、重要な単語にマーカーを引いておくこと。ひとつのキーワードが複数の広告に含まれている場合は、両者の異なる部分に注意して答える。

言語構造 Sprachbausteine

次に来るのは「言語構造」。文法が苦手な人にはなかなか厳しい部分だ。

この科目は「文法」と「語彙」の2つから構成される。

文法 Grammatik

これはテキストの空欄に合う単語を3つの選択肢から選択する問題。問題は10問出題される。ドイツ語の文法と文のの文脈を理解できていることが求められる。

前置詞などポイントを押させて練習しておけば、結構、点を稼げる部分でもある。以下のような初級~中級文法をいかに理解できているかがポイント。

  • 名詞の性別
  • 定冠詞・不定冠詞の格変化
  • 人称代名詞の格変化
  • 3格・4格を取る動詞
  • 前置詞の使い分け
  • 現在完了形の作り方 (seinとhaben)

語彙 Lexik

これはテキストの空欄に合う単語を計15個の選択肢から選択する問題。問題は10問出題される。単語の意味とテキストの文脈を理解していることが求められる。

ここで抑えておきたい単語は以下のような品詞だ。

  • 結合前置詞
  • 副詞
  • 助動詞
  • 接続詞

回答のコツ

最初に自信を持ってあてはまるものから順に埋めていくのがポイント。

聴解 Hörverstehen

聴解ではCDから聞こえてくる文章を聞き取り、用紙に書かれた問題に答える。聴解は「Teil 1」「Teil 2」「Teil 3」の3つのパートに分けられる。B1の聴解ではすべて「正しい(+)」か「間違い(-)」の2択問題となっている。

聴解問題の注意点

聴解の試験中は近所の工事中の音がうるさかったり、CDが音飛びしたりするなどのトラブルがよくある。そういった場合も試験はそのまま進むことが多い。

Teil 1

5つの短いテキストを聞いて5つの質問に答える問題。質問に対してはあてはまっていれば「+」、そうでなければ「-」で答える。

このパートは1度しかテキストを聞くことができない!スピーカーの話すスピードは結構早く、一字一句を丁寧に話してくれる訳ではない。あらかじめ質問を読んでおき、全力でテキストに集中すること。

Teil 2

ひとつの対話を聞いて10の質問に答える。対話の内容はインタビューであることが多い。対話は2回聞くことができる。

対話の進むスピードは結構早い。何問目の質問について話しているかを気に留めながら、対話の内容を理解するのは大変だ。最初の一回目を聞いた時点で、7割は答えが分かっているのが理想的。

Teil 3

Teil 3は5つの短いテキストを聞いて5つの質問に答える問題。30秒ほどのテキストから質問に関連する情報を拾い上げよう。

テキストの内容は、電話での問い合わせや車内アナウンスなど様々。このパートはテキストを2度聞くことができる。

Teil 3はより細かい内容の理解が求められる。同義語のレパートリーの広さも問題を解くための鍵となってくる。また、数字の聞き取りが回答のポイントとなるパターンもある。

文章表現 Schriftlicher Ausdruck

B1の作文問題は友達からの手紙に返事を書くという内容。手紙の内容はテストの度に異なる。返事の手紙にどういった内容を含めるかは、あらかじめ指定されている。

しっかり、練習しておけば確実に点が取れる科目だ。

ドイツ語の手紙は書き方が決まっている部分が多い。パターンに当てはめてしまえばある程度書くべき内容は決まってくるはず。内容の面白さやオリジナリティは求めずに淡々と書くべき内容を書こう。

最初に早いスピードでラフに内容や段落構成を決めて、正書する際は文法に気を使いながら読める程度に綺麗な文字で文を書いていこう。

理想的な文章量とそのためのペース配分は何度も模擬練習をして、あらかじめ把握しておこう。

関連記事: ドイツ流を習う!手紙・メールの書き方と単語集。

口頭試験 Mündliche Prüfung

B1試験の最後は口頭試験だ。おそらく読者の多くが苦手としている部分だろう。口頭試験は3つの課題に分かれており、「自己紹介」「課題について話す」「計画を立てる」となっている。

口頭試験は約15分となっている。試験の前に20分の準備時間が用意されている。

自己紹介 Einander kennenlernen (3 min)

まずはお互いに自己紹介と簡単な質問をおこなう。自己紹介に含める内容は問題用紙にてあらかじめ指定されている。

普段のドイツ語練習が試される部分。ここでは自己紹介で使うお決まりのフレーズが使える。

課題について話す Über ein Thema sprechen (6 min)

あるテーマについて問題用紙にあらかじめ書かれている意見を自分の言葉で整理してパートナーに伝える。おたがいの意見を聞いた後は意見交換を行う。

この課題は口頭試験の中で一番むずかしい。問題用紙に書かれた意見を自分の言葉でまとめるのは練習が必要だ。ここではディスカッションで使われる言い回しを覚えておこう。

計画を立てる Gemeinsam etwas planen (6 min)

口頭試験の最後の課題は、パートナーと共に計画を立てること。ここはリラックスして自然なフレーズが使えることが大切。

口頭試験においては、パートナーとの相性が少なからず結果に影響する。パートナーがひたすら話しまくることや緊張しすぎて泣き出すこともある。パートナーのタイプごとに、どういった作戦で乗り切るかをあらかじめ考えてシミュレーションをしておこう。

攻略法のまとめ

さて、科目のごとの攻略法を見てきた。最後に試験全体を通じて必要となる能力、また、それらに対する準備についてあらためてまとめておきたい。

B1の試験において、どの科目にも共通して言えるのは次のような点。

  • どの科目においても鍵となってくるのは「語彙」。
  • 内容を正しく表現することよりも、理解することが重視される。
  • それほど「文法」は求められない。ただ、早いうちに習得しておきたい。
  • 試験中は高い集中力が求められる。

これらの点を踏まえたうえでしっかりと準備をおこなおう。

TestDaFの対策本

最後に | 徹底攻略!TestDaF

さて、この記事ではドイツ語B1試験とその攻略法をTelc Deutsch B1を例に解説してきた。

著者は8年ほど前にTelc Deutsch B1を受験して、運良く一回目の挑戦で合格している。今回、記事を書くにあたって改めて自分で練習問題に挑んでみたが、B1は思った以上に難しい!

試験前日までに思いつくことはすべて準備して、試験当日はリラックスした状態でベストなパフォーマンスを発揮しよう

では、みんなの健闘を祈っている!

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。