ドイツ語の否定文!nichtとkeinの使い分け。

ドイツ語の否定文

今回はドイツ語での否定文の作り方を確認しよう。

ドイツ語の否定文はドイツ語文法の中では比較的簡単なほうだ。しかし、nichtとkeinの使い分けなど気をつけるべきポイントは結構ある。

今回はそんな否定文の使い方をもう一度確認しておこう!

否定文とは?

否定文 Verneinungssatz

「~ではない」という否定の意味を持つ文を否定文という。
ドイツ語で否定文を作る際は、副詞であるnichtか否定冠詞であるkeinを使用する。

nichtを使った否定文

まずはnichtを使った否定文を見ていこう。
nichtを使った否定文には、文の全体を否定する全体否定文の一部を否定する部分否定の2種類がある。

全体否定の文の作り方

全体否定の文を作る場合は、原則的にnichtは文末に配置する。
例を見てみよう。

Sie kommt heute nicht. 
彼女は今日は来ない。 
Ich mag meine Arbeit nicht.
僕は自分の仕事が好きじゃない。

枠構造の文では

助動詞や分離動詞などの枠構造を持つ文では、nichtは文末の直前に置かれる。

Ich muss heute nicht arbeiten.  
今日は働かなくてもいい。

部分否定の文の作り方

文の一部をのみを否定したい場合は、nichtは否定する単語の直前に置く。
また例を見てみよう。

Ich bin nicht Japaner. 
わたしは日本人ではない。  
Er kann das Fahrrad nicht vor seinem Geburtstag kaufen.
彼は誕生日の前に自転車を買うことはできない。

この文では、nichtは「vor seinem Geburtstag」の前に置かれいている。
つまり、自転車を「誕生日の前に」買うことはできないが、その後のタイミングなら買えるということを意味している。

長い文での例

長い文で否定する部分を変える実験をしてみよう。

Er kauft nach der Arbeit im Supermarkt Eier. 
彼は仕事の後にスーパーで卵を買う。

この文から、主語と動詞を除くと「nach der Arbeit」「im Supermarkt 」「Eier」という3つのパートに分けることができる。

仕事の後に”を否定する場合

Er kauft nicht nach der Arbeit im Supermarkt Eier.
この場合、卵は買うけども仕事の後ではない。

“スーパーで”を否定する場合

Er kauft nach der Arbeit nicht im Supermarkt Eier. 
この場合、卵は買うけどもスーパーでは買わない。

“卵を”を否定する場合

Er kauft nach der Arbeit im Supermarkt keine Eier.
この場合、スーパーで買い物をするが卵は買わない。

最後の文では、nichtではなく次の章で習うkeinを使う。

否定冠詞を使った否定文

否定冠詞keinを使った否定文の作り方も勉強しよう。

否定冠詞の格変化

否定冠詞は不定冠詞の頭に”k“を付けることによって作ることができる。

1格2格3格4格
男性名詞keinkeineskeinemkeinen
女性名詞keinekeinerkeinerkeine
中性名詞keinkeineskeinemkein

否定冠詞を使った例文

例文を見て否定冠詞の使い方を確認しよう。
否定冠詞はeinなどの不定冠詞の頭に「k」を付け加えることによって作れる。

Ich bin kein Student.
わたしは学生ではない。
Er braucht keine Freundin.
彼は彼女を必要としていない。 
Kein Mensch ist perfekt.
完璧な人間はいない。 

nichtと否定冠詞の使い分け

nichtと否定冠詞の使い分けは実に簡単だ。
否定冠詞を使って否定文を作れる場合は、すべて否定冠詞を使えばいい
そちらのほうが自然なドイツ語の文になる。

自分の考えた文がnichtを含む場合、否定冠詞を使って言い替えることができないか考えてみよう!

否定を意味するその他の単語

nichtや否定冠詞以外にも、否定を意味する単語は存在する。

下にまとめたので目を通しておこう!

  • niemand 誰も

    (例) Niemand hat daran Interesse.
    それには誰も興味がない。
  • nie ・ niemals 一度も

    (例) Ich habe das nie gesagt!
    そんな事は言ってないぞ!
  • nichts 何も

    (例) Er hat nichts heute gekauft.
    彼は今日は何も買ってない。
  • nirgendwo ・ nirgends どこにも

    (例) Ich habe das nirgendwo gefunden.
    それはどこにも見つからなかった。
  • nirgendwohin どこへも

    (例) Du gehst nirgendwohin.
    君はどこへも行かない。

二重否定

ドイツ語にも、日本語と同様に二重否定の表現がある。
ここでは二重否定の例を2つ紹介しよう!

Ich habe nie gesagt, dass ich nichts weiß.
私は何も知らないとは言っていない。
Heutzutage gibt es keine Autos mehr, die diese Technik nicht verwenden.
今日ではこの技術が使われていない車は存在しない。
まとめ
  1. ドイツ語で否定文を作りたい場合は、nichtもしくは否定冠詞を使う。
  2. 文全体を否定したい場合はnichtは文末に置く。部分的に否定する場合は否定する単語の直前に置く。
  3. keinなどの否定冠詞を使える場合は、nichtを使うよりも否定冠詞を使ったほうが自然なドイツ語の文が作れる。

ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。