ドイツ語の定冠詞と不定冠詞。適切な使い分け!

定冠詞と不定冠詞

今回はドイツ語の定冠詞と不定冠詞について勉強していこう。

定冠詞や不定冠詞は英語でいうと「a」や「the」にあたり、日本語にはそれに該当するものは無い。しかし、無くてもいいように思える冠詞だが、ドイツ人が文の意味を理解するためには無くてはならないもの。

では勉強していこう!

定冠詞・不定冠詞とは?

冠詞とは名詞の前に配置する単語を指す。ドイツ語では冠詞は変化して日本語の「はにをへ」にあたる役割を果たす。

定冠詞 bestimmter Artikel  ベシュティムター・アーティケル

名詞があらわす人や物が特定できる場合に使う。
(例) der・die・das

不定冠詞 
unbestimmter Artikel ウンベシュティムター・アーティケル

名詞があらわす人や物が特定できない場合に使う。
(例) ein・eine

ドイツ語の冠詞には、その他に否定冠詞がある。

定冠詞の使い方

まずは定冠詞から詳しく見ていこう。

定冠詞の格変化

ドイツ語の定冠詞は、男性名詞・女性名詞・中性名詞と複数形の4つに分類されたうえで、さらに文中では格によって使い分ける。

1格2格3格4格
男性名詞derdes -sdemden
女性名詞diederderdie
中性名詞dasdes -sdemdas
複数形diederderdie

名詞の性別の判別

ドイツ語の名詞には、男性・女性・中性の3種類の性別がある。
最初のうちは文を作るたびに、辞書を引いて性別を覚えよう。
慣れてくるとある程度の規則が分かってくるはず。

判別の方法について今見てみたいという人はこちらの記事をどうぞ!

格の判別

定冠詞がどの格を取るかについては、多少は日本語の「はにをへ」に当てはめて考えることができる。しかし、実際のところどの格を取るかは動詞や前置詞によりあらかじめ決定されている場合が多い

「~は」⇒ 1格
「~の」⇒ 2格
「~に」⇒ 3格
「~を」⇒ 4格

に該当することが多いが、あくまでも目安として考えておいてほしい

定冠詞を使った例文

説明だけでは何を言っているのかわからないと思うので、いくつか例を挙げてみよう。

Das Lied ist sehr schön.
ダス・リート・イスト・ゼア・シューン
この曲はとても美しい。 

Liedは中性名詞で、単語の文中での役割を「はにをへ」に当てはめると「~は」にあたるので、1格の中性名詞である「das」を使っている。

Ich kaufe den Computer.
イッヒ・カウフェ・デン・コンピューター
わたしはこのコンピューターを買います。 

Computerは男性名詞で、役割は「~を」にあたるので、4格の男性名詞である「den」を使っている。

Ich gebe dem Tier Futter.
イッヒ・ゲーベ・デム・ティア・フッター
わたしはこの動物に餌をあたえます。

Tierは中性名詞で、役割は「~に」にあたるので、3格の中性名詞である「dem」を使っている。

先にも書いたとおり、実際には格の選択は動詞や前置詞により決定されることが多い。これらについては今後じっくり勉強していくので、定冠詞は名詞の性別と格により変化するということだけ覚えておいてほしい!

不定冠詞の使い方

次に不定冠詞の使い方を見ていこう。

不定冠詞の格変化

ドイツ語の不定冠詞は、男性名詞・女性名詞・中性名詞の3つに分類される。さらに文中では格によって使い分ける。複数形の名詞に対しては不定冠詞を使わない

1格2格3格4格
男性名詞eineines -seinemeinen
女性名詞eineeinereinereine
中性名詞eineines -seinemein
複数形****

不定冠詞を使った例文

不定冠詞も例文を使って確認しよう。
名詞の性別の判別や格の判別に関しては定冠詞の場合と同じだ。

Ein Lehrer hilft mit den Hausaufgaben.
アイン・レーラー・ヒルフト・ミア・ミット・デン・ハオスアオフガーベン
先生が宿題を助けてくれる。 

Lehrerは男性名詞で文中での役割は「~は」にあたるので、1格の男性名詞である「ein」を使っている。

通常、日本語では「先生が」と言えば先生は一人だと考えるが、ドイツ語の場合は一人を意味するeinを付けなくてはならない。

Ich suche einen Job.
イッヒ・ズーヘ・アイネン・ジョブ
わたしは仕事を探しています。 

Jobは男性名詞で役割は「~を」にあたるので、4格の男性名詞である「einen」を使っている。

Ich schicke einem Freund einen Brief.
イッヒ・シッケ・アイネム・フロイント・アイネン・ブリーフ
わたしは友達に手紙を送ります。

この文では2つの不定冠詞を使っている。

1つ目は「einem Freund」で、Freundは男性名詞で役割は「~に」にあたるので、3格の男性名詞である「einem」を使っている。

2つ目は「einen Brief」で、Briefは男性名詞で役割は「~を」にあたるので、4格の男性名詞である「einen」を使っている。

不定冠詞の複数形

名詞が複数形の場合、不定冠詞では冠詞はつけない。
この場合の例を見てみよう。

Ich habe gestern Kinder gesehen.
イッヒ・ハーベ・ゲスターン・キンダー・ゲゼーヘン
昨日、子供たちを見かけたよ。

不定冠詞を付けない名詞

名詞の中には、単数形であっても不定冠詞をつけない名詞が存在する。
例を見てみよう。

数えられない名詞

Hast du Hunger?
ハスト・ドゥー・フンガー
おなか空いてる?

職業や国籍をあらわす名詞

Ich bin Japaner.
イッヒ・ビン・ヤパーナー
僕は日本人です。
Er ist Lehrer.
エア・イスト・レーラー
彼は先生です。

冠詞と不定冠詞の使い分け

冠詞と不定冠詞の使い分けは実際の会話を例にとったほうが説明しやすいので、まずは以下の文を読んでみてほしい。

Ich habe gestern einen neuen Computer gekauft.
イッヒ・ハーベ・ゲスターン・アイネン・ノイエン・コンピューター・ゲカウヒト
昨日あたらしいコンピュータを買ったんだ。

Der Computer ist sehr schnell!
デア・コンピューター・イスト・ゼア・シュネル
そのコンピュータはすっごい速いんだ。 

両方の文にコンピュータが出てきていて、1つ目の文では「einen neuen Computer」、2つ目の文では「Der Computer」として登場する。

1つ目の文を話している時点では、聞き手はコンピュータの話など初耳なので不定冠詞を使用する。

2つ目の文でもコンピュータについて話しているのだけど、その時点では聞き手はどのコンピュータの話をしているのかわかっている。なので定冠詞である「der」を使っている。

この後、会話の中でこのコンピュータが出てくる場合は、定冠詞を使い続ければいい。もし、他のコンピュータが登場するなら、不定冠詞を使って以下のように言えばいい。

Ich möchte in nächsten Jahr einen anderen Computer kaufen.
イッヒ・メヒテ・イン・ネヒステン・ヤー・エイネン・アンデレン・コンピューター・カウフェン
来年には他のコンピュータを買う予定だよ。

不定冠詞を使った文を日本語に直す際は、「昨日あたらしいコンピュータを1個買ったんだ。」と書くと不自然なので、1つであることが特に重要でない場合、einenにあたる部分は省略しよう。

まとめ

  1. ドイツ語では、名詞の前に必要に応じて定冠詞・不定冠詞を配置する。
    定冠詞・不定冠詞は名詞の性別や格に対応して変化する。
  2. ドイツ語の格はある程度、日本語の「は・の・に・を」に当てはめることができるが、実際には使用する動詞や前置詞によって決定されることが多い。
  3. 対象が特定できる場合は定冠詞、できない場合には不定冠詞を使う。