ドイツ語の接続法1式!間接話法と要求話法。

ドイツ語の接続法1式

今回は、ドイツ語の接続法のうちの第1式を習おう。

接続法1式は、間接話法と要求話法事実という2つの使い方がある。ニュース記事などを除いてあまり使われることのない表現だが、ドイツ語の上級者を目指すのなら避けて通れない表現だ。

では、見ていこう!


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接続法1式とは

接続法1式 Konjunktiv I

2種類あるドイツ語の接続法のうちのひとつで、間接話法と要求話法という2種類の使い方ができる。

間接話法 indirekte Rede

間接話法は、誰かから聞いた話を他の人に話すときに使われる。
日本語で言うと「(誰々が)~と言ってたよ」にあたる表現だ。
この表現はニュース記事などで非常によく使われる。

要求話法

願望や要求を表現するが現在ではあまり使われない。
要求話法を使うと古風で上品な表現となる。

接続法2式について知りたい人はこちらの記事をどうぞ!

接続法1式の作り方

接続法1式の文は、動詞を接続法1式のかたちに変化させることによって表現する。

基本的な作り方

接続法1式の基本的な作り方は

動詞の語幹 e人称変化語尾 となる。

sagenを例にとって現在形と接続法1式の動詞の変化を比較してみよう。

現在形接続法1式
ichsagesage
dusagstsagest
ersagtsage
wirsagensagen
ihrsagtsaget
siesagensagen

不規則動詞の接続法1式

mögenkönnenといった現在形の活用が不規則な動詞でも、接続法1式では規則的に変化する。次はmögenの現在形と接続法1式の比較だ。

現在形接続法1式
ichmagmöge
dumagstmögest
ermagmöge
wirmögenmögen
ihrmögtmöget
siemögenmögen

現在形では不規則な変化をするが、接続法1式では規則的に変化しているのが分かるだろう。

seinの接続法1式

seinが接続法1式で不規則な変化をする唯一の動詞だ。

現在形接続法1式
ichbinsei
dubistsei(e)st
eristsei
wirsindseien
ihrseidsei(e)t
siesindseien

間接話法

まずはよく使わる間接話法としての使い方から見ていこう。

間接話法の文の作り方

では、間接話法の文の作り方を勉強していこう。

A君がドイツ語を習っているという話を君はA君から聞いた。その事をB君に話す場合を考えてほしい。その場合はドイツ語でこう言うと思う。

Er sagte, dass er Deutsch lernt. 
彼は彼がドイツ語を習っていると言ってたよ。

こういった文は、接続法1式の間接話法を用いて言うと以下のようになる。

Er sagte, er lerne Deutsch.  
彼は彼がドイツ語を習っていると言ってたよ。 

erが主語なので通常はlerntになるところだが、接続法1式なのでlerneとなっている。また、コンマの後に主語であるerが来て、その後に動詞が配置されている。

dassを使ったバリエーション

先ほどの接続法1式の文は、dassを使って以下のように書き換えることもできる。

Er sagte, dass er Deutsch lerne. 
彼は彼がドイツ語を習っていると言ってたよ。 

dassを使うパターンでは、通常の副文と同様に動詞は文の最後に置かれる。

間接話法の例文

例文で文のスタイルの変化を確認しよう。

Ihr erzählt, ihr seid die besten Fachkräfte.
君たちは言った、君たちが最高の専門家だと。 
Der Bürgermeister antwortete, dass er gegen die Kriminalität vorgehen werde.
市長は犯罪に対して取り組みを進めると答えた。

人から聞いた話を伝える3種類の表現

ドイツ語では人から聞いた話を他の人に伝えるときに、3種類の表現が使える。

その3つの表現は以下の通り。

  1. 直接法
    Er sagte: “Ich lerne Deutsch.”
  2. 直接法の間接話法
    Er sagte, dass er Deutsch lernt.
  3. 接続法1式を用いた間接話法
    Er sagte, er lerne Deutsch.

要求話法

次に紹介する要求話法としての用法は、非常に古臭く現在では限られた範囲でのみ使われている。以下でそのパターンを紹介するぞ。

定型句として残ったパターン

これはお決まりのフレーズとして残ったパターン。

Gott sei Dank!
やれやれ、助かった。
Möge das Spiel beginnen!
ゲーム開始!

理想的な姿を指して

直接法の動詞を接続法1式に変えて「~であるべき」といったニュアンスを出すパターン。

Ein Lehrer sei geduldig mit seinen Schülern.
先生は生徒に対して辛抱強くあるべき。

手順の説明として

取扱説明書やガイダンスなどで使われるパターン。

Man nehme einen Liter Wasser und bringe ihn zum Kochen.
1リッターの水を沸騰させます。 

上品な命令文として

命令文で接続法1式を用いることもできる。その場合は古風でエレガントな表現となる。

Seien Sie mir bitte nicht böse!
どうかそう意地悪にしないで下さい。 

通常の命令文では、「Sind Sie mir bitte nicht böse!」となる。

論文や問題文での表現

学術論文や教科者の問題文などで見かけるパターン。

Im Folgenden seien die Ergebnisse der Umfrage zu sehen.
以下がアンケートの結果となります。

現在形の文に置き換えると、「Im Folgenden sehen Sie die Ergebnisse der Umfrage.」となる。

まとめ
  1. 接続法1式には、間接話法と要求話法の2つの使い方がある。間接話法は誰かから聞いた話を別の誰かに話すときに使われる。
  2. 動詞の接続法1式のスタイルは、 動詞の語幹 + e + 人称変化語尾 となる。 接続法1式で不規則な変化をする動詞はseinのみである。
  3. 要求話法は現在ではあまり使われていないが、”Gott sei Dank!”のような定型句ではよく使われる。

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ABOUTこの記事をかいた人

ベルリンに住むドイツ語研究が趣味のお兄さん。2009年よりベルリンに住むベルリナー、本当は名古屋出身。 通算で2年ほどドイツ語学校に通い、上級レベルにあたるドイツ語C1試験に合格済み。2年6か月の職業訓練(Ausbildung)を終えたのち、ドイツ企業で医療系ソフトウェアの開発に従事する。