ドイツ人も知らない。過去形と現在完了形の使い分け!

過去形と現在完了形の使い分け

今回は、過去形と現在完了形の使い分けについてだ。

「過去形を使うか?現在完了形を使うか?内容に違いはあるのか?」
ドイツ語学習者にとっては、重要な問題だけど、これについて詳しく書いてあるサイトは少ない。

今回はこの問題について、10年以上ドイツに住み家庭でも仕事でもドイツ語を使っている著者が掘り下げて調べてみたぞ!

よく見かける回答

過去形と現在完了形の使い分けについて、ドイツ語で書かれたサイトを含めよく見かける回答が次のようなもの。

「 過去形と現在完了形の文に内容的な相違はなく、話し言葉では現在完了形書き言葉では過去形が使われる。」

この回答はおおざっぱで、実践では当てはまらないことがかなり多い。

話し言葉でも過去形は使われる

話し言葉でも過去形は普通に使われている。

例として、昨日どこにいたかと友人から尋ねられた場合を考えてみよう。
あなたは過去形で「Ich war im Park.」それとも現在完了形で「Ich bin im Park gewesen.」と答えるだろうか?

どちらも文法的に間違っていないけど、著者としては過去形の 「Ich war im Park.」 のほうが自然な感じがする。現在完了形で 「Ich bin im Park gewesen.」 と答えた場合、その後、状況に変化があったと予測するだろう。

口語では、現在完了形が使われるというのは事実ではない。

書き言葉でも現在完了形は使われる

書き言葉でも文の内容によっては、現在完了形は普通に使われている。

例えば会社内でのEメール。「Ich habe keine Zeit gehabt.」などといったメールは普通にネイティブから送られてくる。

過去形が現在完了形より頻繁に使われるのは小説とニュースぐらいだと思う。

wikipediaの解説

ドイツ語で書かれたドイツ語学習サイトでも、あまり詳しく触れているサイトはないのでWikipediaの記述を見てみよう。

話し言葉について

wikipediaでは、話し言葉で過去形が使われるのは以下に挙げた動詞のみとしている。

In der gesprochenen Sprache wird das Präteritum meist nur für die Verben „haben“, „sein“, „wissen“, „heißen“, „finden“ (im Sinne von „empfinden“), „denken“ und die Modalverben verwendet, ansonsten durch das Perfekt ersetzt, das bei den meisten der erstgenannten Verben hierbei unüblich ist.

https://de.wikipedia.orgより引用

訳: “話し言葉においては、過去形はhaben, sein, wissen, heißen, finden (‘empfinden’の意味で), denkenと助動詞のみに使われおり、それ以外の動詞は現在完了形に置き換えられる。”

個人的な経験から言えば、この説明はすごく的を得ていると思う。
Wie hießt er? 彼の名前はなんだっけ?
Ich dachte schon! そうだと思ったよ!
とかよく使うからね。

書き言葉について

書き言葉での過去形と現在完了形の使い分けについて wikipediaでは 、非文学的な文章と文学的な文章を明確に区別したうえで、以下のように説明している。

In nichtliterarischen Texten, wie z. B. Berichten, drückt das Präteritum Handlungen und Vorgänge aus, die in der Vergangenheit abgeschlossen wurden und keinen unmittelbaren Bezug zur Gegenwart haben. Besteht ein Bezug zur Gegenwart, wird dagegen das Perfekt benutzt.

In literarischen Texten, insbesondere Romanen, ist das verwendete Erzähltempus das Präteritum, das hier jedoch die Gegenwart innerhalb der erzählten Geschichte ausdrückt. In der Erzählung gibt es kein Perfekt – es sei denn, der Roman ist im Präsens geschrieben. Vergangenes wird mit dem Plusquamperfekt ausgedrückt.

https://de.wikipedia.orgより引用(一部省略)

訳: “レポートなどの文学的ではない文章においては、過去形は過去に終了した、現在との関連性を持たないストーリーや事象を表現する際に用いられる。現在との関連を持つものについては現在完了形を用いる。

小説などの文学的な文章においては、物語が現在を舞台としている場合もフォームとして過去形を用いる。小説が現在形で書かれた場合を除き、物語では現在完了形は使われない。過去のことについて述べる際は過去完了形が使われる。”

この説明に関しては、実際のところと若干ズレはあるかもしれないけど、前半の部分については、ドイツ語学校でも同様の説明を受けたことがあり、実際に結構当たっていると思う。

地域による違い

話し言葉においては地域による違いも大きいようだ。
南ドイツ出身者は現在完了形を、北ドイツ出身者は過去形をより多く使う。

イメージによる違い

過去形で書かれた文章と現在完了形で書かれた文章では、文章が与える印象が違う。若者向けのブログでは、読者に親近感を与えるためにあえて現在完了形を使うことがあるそう。

厳密な使い分けは無く、狙いたい印象によってフォームを選んでいる部分もあるそうだ。

  • 過去形
    格調高く、フォーマルなイメージ。
  • 現在完了形
    敷居が低く、フレンドリーなイメージ。

まとめ

話し言葉において

過去形は以下の動詞と助動詞のみに使われる。
haben, sein, wissen, heißen, finden, denken
ただし、上記の動詞を現在完了形の形で使うことはある。

書き言葉では

文学的な文章を除いて考えた場合、
過去形は、現在との関連性を持たない過去の事象を表現する際に使う。現在との関連を持つ事象に対しては現在完了形を使う。

ただし、この使い分けは厳密ではない。
住んでいる地域やイメージなどによっても変わる。

なお、テストにおいてはこの使い分けが原因で減点をされるような事は無い。
先に現在完了形を覚えて、必要に応じて過去形の表現を覚えていくという方針で勉強していけば問題ないだろう。